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① 日本産樹木見本園
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日本に自生している約600種の樹木のうち、約250種を「常緑広葉樹(照葉樹)」、「落葉広葉樹」、「針葉樹」の順に配置しています。日本の代表的な樹木の樹形や樹皮、葉、花、実などの特徴を知ることができます。常緑広葉樹は、クスノキ、タブノキ、スダジイ、マテバシイなど、落葉広葉樹は、クヌギ、アベマキ、ホオノキ、トチノキなど、針葉樹は、ヒノキ、サワラ、モミ、ツガなどがご覧いただけます。
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② 外国産針葉樹木園
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ヒノキ科のメタセコイア、セコイア、ヌマスギ、スイショウなどを植栽しています。メタセコイアは、1941年に故三木茂博士(当園の元園長)が化石植物として発見・命名し、後に、中国の四川省(現在の湖北省)で生存個体が発見されたことから「生きている化石」と言われるようになりました。その種子をアメリカで発芽させ、育てた100本の苗木が1950年に日本に送られました。そのうちの1本は当園で現在も立派に育っています。
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③ 外国産鑑賞樹木園
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アメリカヤマボウシ(ハナミズキ)、フウ、モミジバフウ、アメリカキササゲ、トチュウ、ユリノキ、アオギリ、ニワウルシなど主に高木性の落葉広葉樹を植栽しています。サンシュユ、ウチワノキなどの低木類も観察できます。
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④ 東アジア区
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高温多雨な熱帯地域をのぞけば、東アジアは地球上でもっとも樹木の種類が多い地域です。コウヨウザン、コノテガシワ、キンモクセイ、カリン、ミツマタなどを植栽しています。
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⑤ 北アメリカ区
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モミジバフウ、ユリノキなどを植栽しています。
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⑥ ユーラシア区
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ユーラシアは、地球上でもっとも広大な陸地です。文学、絵画などで親しい名前のものが数多くみられます。セイヨウイチイ、ホソイトスギ、セイヨウトチノキ(マロニエ)、セイヨウバクチノキなどをご覧いただけます。
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⑦ オーストラリア区
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ユーカリ、カリトリス、カリステモンなどを植栽しています。
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⑧ サクラ山
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オオシマザクラ、ヤマザクラ、クマノザクラなどの数種の野生種と園芸品種を集めています。2月下旬の‘大寒桜’の開花を皮切りに、‘糸桜’(枝垂桜)などの一重咲き、4月中旬からは‘関山’、‘梅護寺数珠掛桜’などの八重咲き品種、そして最も晩生の‘奈良の八重桜’まで約2ヶ月にわたり順次見ごろを迎えます。「新錦」を初めとした緑のサクラ6品種もご覧いただけます。
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⑨ 梅園・果樹見本園
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梅園は、早咲きから遅咲きの品種が順番に開花し、毎年1月中旬から3月中旬に見ごろを迎えます。また、果樹見本園にはナシの野生種をはじめ、モモ、スモモ、カキなどを植栽しています。
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⑩ ツバキ山
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ツバキの原種のほか、園芸品種を中心に外国産を含む多くの品種を植栽しています。11月下旬から4月上旬まで様々な品種をお楽しみいただけます。
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⑪ カエデ山
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イロハモミジやハウチワカエデと、これらに由来する品種を中心に植栽しています。毎年11月中旬から12月上旬に紅葉が見頃を迎えます。
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⑫ マグノリア園
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コブシ、タムシバ、モクレン、タイサンボク、ウケザキオオヤマレンゲなどのモクレンの仲間を集め、原始的とされる花の構造を見ることができます。
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⑬ ヤシ園
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シュロ、ブラジルヤシ、ヤタイヤシ、カナリ―ヤシなどのヤシ科の植物のほか、ニューサイラン、ニオイシュロラン、タイワンソテツなどを植栽しています。
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⑭ タケ・ササ園
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おもにマダケ属のタケを集めています。株立状になる南方系のタケも数種あります。
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⑮ 花木園
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ボケ、レンギョウ、アジサイ、サザンカ、マンサクの仲間など、花や葉の美しい日本産・外国産の低木類を植栽しています。
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⑯ 夏咲き花木
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ムクゲ、フヨウ、キョウチクトウ、サルスベリなどを植栽しています。
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⑰ 乾燥地の植物
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北米や中米の砂漠植物を植栽し、乾燥気候地の植物景観を作り出しています。当園へ植栽後、数十年を経てようやく開花に至ったアオノリュウゼツランやプヤ・アルペストリスのほか、ユッカ・アウストラリスのように数年に一度しか咲かない植物もあります。
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⑱ 熱帯・亜熱帯の植物
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温室(非公開)で育てている植物の一部を、夏季限定で露地に植え出して公開しています。衣食住において生活に役立つ有用植物を中心に熱帯・亜熱帯の植物を見ることができます。
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⑲ 水生植物
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水辺の植物は、開発による生育地の消失や水質の悪化などにより絶滅の危機に瀕しているものが少なくありません。そのような絶滅危惧種を含め数多くの水生植物を展示しています。また花蓮、花菖蒲などの園芸品種もご覧いただけます。
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⑳ 西日本絶滅危惧植物
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環境省のレッドリストに掲載されている種など希少な植物を展示しています。この中には「種の保存法」の対象種である、アラゲタデ、ダイトウサクラタデ、ウスギワニグチソウ、キバナノツキヌキホトトギスも含まれます。
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㉑ 湿生植物
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日本の湿地は、開発による埋め立てなどの様々な要因で減少し続けており、そこに生育する植物も多くの種が絶滅の危機に直面しています。生息域外保全を目的として採集したヤチスギランなど、希少な品種を含む湿生植物をご覧いただけます。
11の樹林型の紹介
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タブ型照葉樹林
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タブノキやクスノキなどを主とし、照葉樹林帯の海岸に近い低地や山地に分布しています。まるく盛り上がった樹冠が特徴で、夏に雨の多い日本の暖帯林の代表的な森林です。日本の稲作文化は、この照葉樹林の地域から発達したといわれています。
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シイ型照葉樹林
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ツブラジイ、スダジイ、アラカシなどから構成されます。地形的に排水がよく、土壌が比較的乾燥する場所に分布しています。かつては近畿や中国地方の平地にも広く分布していましたが、大部分は農耕地や人間の居住地域となり、現在では社寺林などにその面影が残されています。
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海岸型照葉樹林
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九州、四国、本州の照葉樹林帯の海岸地方に分布する常緑広葉樹林で、ウバメガシ、トベラ、シャリンバイなど、乾燥した土壌や潮風に耐えることのできる小型のかたい葉や厚い葉をもつ植物が多いのが特徴です。
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低地カシ型照葉樹林
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イチイガシやツクバネガシなどからなり、照葉樹林の中ではもっとも広く分布しています。農地化・都市化により、もとの面影をとどめる森林はきわめて少なくなっています。
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高地カシ型照葉樹林
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ウラジロガシ、シラカシ、アカガシなどからなり、照葉樹林帯の山地の中で低地カシ型林やシイ型樹林の上部に見られます。内陸部の山地の斜面に分布し、九州の高地・近畿・中国地方の山地に多くみられます。
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暖帯型落葉樹林
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コナラやシデ類などから構成されています。冬の寒さのために照葉樹林が生育できない地域や、夏の暑さのために温帯落葉樹林が生育できない暖温帯の低山地に広く分布しています。日本の森林帯の特徴である中間帯の森林の1つであり、日本の里山の景観を作っています。
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温帯南部型落葉樹林
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ブナ、ミズナラ、ケヤキなどから構成されます。本園では、ケヤキが優占種の森林をモデルにしています。
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温帯北部型落葉樹林
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シナノキ、イタヤカエデ、ミズナラ、カツラなどから構成され、北海道の中北部に分布しています。温帯林の代表樹種であるブナを含まない森林です。
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アカマツ型針葉樹林
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本来は花こう岩地帯の乾燥した尾根筋や急斜面に小面積状に分布していたと考えられています。現在では、二次林として照葉樹林帯に広く分布しています。
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モミ・ツガ型針葉樹林
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暖帯中部の照葉樹林と、温帯下部の落葉広葉樹林との間に分布しています。一般的に太平洋岸ではツガ林が多く、内陸部ではモミ林がよく発達しています。日本海側ではこの樹林型の分布は見られません。
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ヒノキ・サワラ型針葉樹林
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暖帯から温帯にかけて分布しています。日本の代表的な有用材であるスギ、ヒノキの天然林はこの型に属します。
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