化学バイオ工学科では、
化学技術やバイオテクノロジーを基に、
環境調和型の「ものづくり」に挑戦。
その鍵となるのが、
エネルギー・健康・環境保全と
コスト削減の両立といった課題の解決です。
最新テクノロジーを追究することで、
人類にとっても、地球環境にとっても
安全と豊かさをもたらす社会の構築に
貢献する人材を育成します。

RESEARCH
化学と生命科学の両分野を対象として、エネルギー物質化学・分子科学・化学バイオプロセス工学・バイオサイエンス・バイオエンジニアリングの5領域で研究を展開しています。エネルギー問題の解決を図る蓄電池の開発、遺伝子工学を駆使したレアメタルの回収や副作用の少ない創薬、光センサーに応用できる新材料の合成、木質系バイオマスからのエタノール生産、抗腫瘍効果のある植物由来化合物を使った医療材料の開発など、化学・生物・工学をキーワードとした新しい分野を開拓していきます。

EDUCATION
化学と生命科学の両分野を広くかつ深く学びます。専門知識に加えて、科学技術が社会に及ぼす影響について地球的規模で総合的に洞察し、自ら適切に判断できる専門技術者・研究者へと導くためのカリキュラムを整備しています。
カリキュラムについて
化学バイオ工学科は、人々の生活に役立つマテリアルや技術を、
原子や分子あるいは遺伝子や細胞の世界から創り出せる高い専門性を持つ人材を養成しています。
そのために化学・生命科学の基礎ならびに専門学力の充実、技術者・研究者としての人間力養成、
研究能力開発に主眼をおいた教育カリキュラムを整備しています。
- 1~2年次
- 総合教養科目や外国語科目、健康・スポーツ科学科目を学び、広範で多様な基礎的知識と基本的学習能力を身につけます。また、情報リテラシー科目や数学・物理・地学・生物・化学系や実験系などの基礎教育科目を学び、工学基礎知識やその応用能力を習得します。さらに物理化学・化学工学系、有機・高分子系、生物化学系、生物工学系、無機・分析系の各専門科目を学び、化学と生命科学の両分野に共通する基礎的な専門知識を習得します。2年次の「化学バイオ工学演習」では、技術者・研究者にとって必要な論文読解力、発表力、報告書作成力などを習得します。
- 3年次
- 化学および生命科学の専門科目を重点的に学びますが、興味ある科目を自ら選択して履修できます。自身の志望に応じて履修内容を計画・立案し、化学と生命科学のいずれか、もしくは両者の融合分野における専門性を高めることができます。必修科目の「化学バイオ工学実験」では、化学およびバイオ工学に関わる実験技術の基礎を身につけます。
- 4年次
- 「卒業研究」を必修とし、丁寧な個別指導の下、特定の専門分野における最新の手法・技術を学び、化学バイオ工学のより高度な知識や問題解決能力を身につけます。

学びを活かせる分野
化学バイオ工学科では、将来「化学」「食品」「医療」「材料」「環境」「エネルギー」など様々な分野で活躍できる知識と能力を身につけることができます。
CHEMISTRY
- X線分析技術を応用し、多様な試料の三次元元素分布の可視化に成功しています。この手法を環境・生物・文化財・鑑識等の試料の精密解析に利用しています。このような物理分析は化学メーカー等で求められる技術です。
FOOD
SCIENCE- 細胞工学を活用して有害な金属を吸着できるパン酵母を開発。また化学バイオプロセス工学の領域では高圧下の食品の物性と機能の解明を行っています。こうした技術は、安心・安全かつ高付加価値な食品づくりに役立ちます。
MEDICAL
- 遺伝子工学を駆使した人工抗体による抗がん剤や酵母を活用した副作用の少ない抗真菌薬の開発、医薬品の薬効や安定性を高めるための有機化合物の晶析など、心身ともに健やかであり続けるための研究に尽力しています。
MATERIALS
SCIENCE- 「貼って剥がせる」「環境にやさしい」付加価値の高い機能性高分子材料の創製、紫外線照射での着色など光機能性を持つ有機材料の合成と研究を行っています。材料の開発と研究は素材・製造系分野に欠かせない分野です。
ENVIRONMENT
- 木質系バイオマスからのエタノール生産、亜臨界・超臨界流体を反応場とする環境汚染物質の無害化など、環境への負荷を低減する技術開発に取り組んでいます。限られた地球資源の保全と有効活用は21世紀の課題です。
ENERGY
- 微生物燃料電池(微生物の代謝で生じる電子を活用した電池)に適した触媒微生物の開発、蓄電池・人工光合成・燃料電池に関するナノマテリアルの研究など、カーボンニュートラルなエネルギー技術の開発は人類共通の使命です。
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在学生の声
知的好奇心が旺盛な人には
最適な学びの舞台です。
物質化学生命系専攻 化学バイオ工学分野
博士後期課程1年
京都府・同志社高等学校 出身
光を当てると化学構造が変化する分子で結晶ナノワイヤーを作製し、光の当て方を変えることで新たな動きを示すかを実験しています。研究室では、週間報告会や勉強会など、優秀な先輩方や先生と対等に意見を交わす機会もあります。その際には、研究初心者ならではの自由な発想も重要だと歓迎され、議論の重要性や喜びを感じています。化学系と生物系、どちらの専門科目を受けられるのも化学バイオ工学科の魅力。様々な科目が関連しているとの先生方の言葉通り、点の知識が線でつながる実感を得ています。そんな研究の日々を支えてくれるのが、学術的な専門書が揃う学術情報総合センターで、最高の学習環境が整っています。海外の学会に参加することを目標に、研究者の道を懸命に歩みたいです。
進路情報
- 大学院進学者と就職者の割合(2021年3月卒業生実績)
- 9割以上の学生が大学院に進学し、修了後は高い専門性を活かして多方面で活躍しています。
- 大学院進学
- 化学バイオ工学科から大学院へ進学する場合、工学研究科・物質化学生命系専攻の4分野のひとつ、化学バイオ工学分野へ進学します。
- 主な就職先(過去3年間)
- 卒業生は、化学、繊維、電機、食品、化粧品、製薬など様々な分野で活躍の場を広げています。
- 住友化学
- 三菱ケミカル
- 宇部興産
- 積水化学工業
- 東レ
- 東洋紡
- 日産化学
- 住友精化
- 日本触媒
- 三洋化成工業
- 住化分析センター
- 三菱マテリアル
- JSR
- 凸版印刷
- 島津製作所
- DIC
- 日東電工
- 古河電気工業
- 村田製作所
- 住友ゴム工業
- カネカ
- 住友電気工業
- ダイハツ工業
- パナソニック
- マクセル
- ダイキン工業
- 日立ハイテク
- 大王製紙
- 関西電力
- ダイセル
- サカタインクス
- 東洋アルミニウム
- TOYO TIRE
- ディスコ
- 富士フィルム
マニュファクチュアリング - アドバンテック
- 神戸製鋼所
- 山陽特殊製鋼
- 栗本鐵工所
- 日本特殊陶業
- 日本ゼオン
- イビデン
- タキロンシーアイ株式会社
- 日本ペイントホールディングズ
- 資生堂
- マンダム
- ナリス化粧品
- コーセー
- 日清食品
- 大関
- UCC上島珈琲
- タマノイ酢
- フジッコ
- J-オイルミルズ
- プリマハム
- ミヨシ油脂
- サラヤ
- 不二製油
- 松本油脂製薬
- JCRファーマ
- 日本イーライリリー
- 阪本薬品工業
- 日本新薬
- ロート製薬
- 小林製薬
- ニプロ
- 住商ファーマインターナショナル
- ほか
- 取得できる資格・免許
-
- 中学校教諭一種免許状(理科)
- 高等学校教諭一種免許状(理科)
- 安全管理者(労働安全衛生法)※1
- 甲種危険物取扱者(受験資格)※2
- 毒物劇物取扱責任者