最新の研究成果
新人看護師の業務習得をサポートするツールを新たに作成
2025年2月3日
- 看護学研究科
- プレスリリース
ポイント
◇新人看護師に焦点を当て、どのように先輩を観察して行動や技術を真似ているかを確認するツールを作成。
◇本ツールの活用により、新人看護師のストレスや不安の軽減、離職率の低減、患者へのケアの質や安全性の向上につながることが期待。
概要
働き始めて1年目の新人看護師は、教育機関で学んだ知識と医療現場で求められるスキルのギャップに直面し、不安や戸惑いを感じることが多々あります。忙しい現場では十分な指導を受けられない場合もあり、新人看護師が自ら能動的に学ぶことも必要で、経験豊富な先輩看護師を観察し行動や技術を真似て学ぶモデリング※は、重要な学習方法の一つです。
大阪公立大学大学院看護学研究科の長野 弥生講師らの研究グループは、全国の新人看護師にモデリングに関するアンケート調査を行い、337名の回答を分析。21の質問項目で構成された「新人看護師のモデリング尺度」という確認ツールを作成しました。新人看護師が本ツールで自らの課題を明確にできれば、効率的な業務習得が可能になると考えられます。その結果、自信を持って業務を行うことで、ストレスや不安の軽減、離職率の低減、患者へのケアの質や安全性の向上につながることが期待できます。
本研究成果は、2024年12月18日に国際学術誌「BMC Nursing」にオンライン掲載されました。
<長野 弥生講師のコメント>
本研究の実施にあたり、多くの新人看護師、臨床家、看護教育の専門家にご協力いただきました。本研究が医療現場の看護師教育に少しでも役立ち、より良い教育環境づくりに貢献できることを願っています。
掲載誌情報
【発表雑誌】BMC Nursing
【論 文 名】Development and Psychometric Testing of the Modeling Scale for Novice Nurses: A cross-sectional survey design
【著 者】Yayoi Nagano, Yasuko Hosada
【掲載URL】https://doi.org/10.1186/s12912-024-02579-4
資金情報
本研究はJSPS科研費 若手研究(20K19016)の助成を受けたものです。
用語解説
※モデリング:本研究では、新人看護師が観察した先輩のふるまい、思考、知識、技術をもとに、自身の看護実践を形成するための行動と操作的に定義した。
研究内容に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院看護学研究科
講師 長野 弥生(ながの やよい)
TEL:072-950-2826
E-mail:nagano-y[at]omu.ac.jp
[at]を@に変更してください。
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
担当:谷
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
[at]を@に変更してください。
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