お知らせ

2024年6月14日

新歓エクスカーションを開催しました

6月1日(土)に、新歓エクスカーションを実施しました。今年度も2チームに分かれ、「野外調査実習Ⅱ」を受講する3年生が案内しました。教員、研究員、院生、学部生の垣根を越えて、地理学教室のメンバーの親睦が深まりました。

<大正コース>
「産業構造の変化」と「沖縄系住民」の2つのテーマを軸にして、大阪市大正区を歩きました。
大正区は大阪市の臨海部に位置し、水運の便がよかったことから明治時代以降に急速に工業化が進みました。大阪の工業や物流の最前線だった大正区ですが、戦後にはその地位を臨海の埋め立て地の工業団地や北港・南港に譲っています。エクスカーションでは、製鋼所や中小工場が多く集まっている景観がみられ、また大正内港ではコンテナでは運べない砂利などを運んでいると思われる艀(はしけ)が多くみられました。鶴浜の埋め立て地区では、大阪港の地位低下や大正区が物流の最前線から退いたことが原因となって、物流施設ではなく商業施設や空地が広がっていました。
大正区を特徴づける大きな要素が、沖縄系住民の多さです。沖縄からの移民は、戦前期の沖縄の不況や大阪の労働需要に支えられて進み、現在大正区の住民の4分の1は沖縄にルーツを持つ人々であると言われています。現在も大正区には沖縄県人会があり、平尾の商店街では沖縄料理を提供する飲食店や物産店などがみられました。平尾商店街や大正駅前では、近年の沖縄に対するイメージ向上もあいまって、沖縄アイデンティを積極的に押し出したまちづくりやビジネスが行われているようでした。
(3回生:丸山)

2024巡検大正2 2024巡検大正3

2024巡検大正4 2024巡検大正1

<豊中コース>

豊中コースは、「音楽と緑化のまちづくり」をテーマとし、豊中駅、岡町駅、曽根駅、服部天神駅、庄内駅周辺の順に阪急宝塚線に沿って散策しました。参加者は、豊中市内の阪急宝塚線沿線における都市開発・まちづくりの基本的な経緯を学びながら、豊中市の中部から南部にかけて駅前周辺がどのように変化していくのかを観察しました。そのうえで、商店街組合が主導した、音楽イベント・史跡巡りを用いた駅前まちづくりの事例と、大阪音楽大学・日本センチュリー交響楽団が豊中市内のまちづくりへ参入していく過程について時系列に沿った説明が行われました。また、豊中市の緑化推進事業が景観の整備だけでなく、防災・公害対策・環境学習・コミュニティ形成に役立てられているということを、各事例の緑地(公園)を巡りながら学習しました。能動的な学びにつなげるために、新2回生の皆さんには、所々で出題されるクイズに答えてもらい、実際に観察しながら豊中市について理解を深めてもらいました。(3回生:小川)

2024巡検豊中2 2024巡検豊中3

2024巡検豊中4 2024巡検豊中1