2024年度国際交流実施状況
国際会議の共催
国際会議概要について
国際会議概要
2025年1月7日から9日に開催されたタイのマヒドン大学主催の国際会議「Triple Burdens of Disease Conference 2025」に国際交流委員会活動の一環で共催校として参加いたしました。本会議のテーマは 「Nurse-Led Game Changer to Optimize the Outcomes of Care(看護師主導によるケア成果の最適化を目指す変革)」 で、世界的な健康政策や疾病の三重負担(Triple Burdens of Disease*)が人々の健康と福祉に与える影響を理解し、看護が主導する介入を通じてケアの成果を向上させるための戦略を探ることを目的として開催されました。約400人の参加がありました。
マヒドン大学は、タイにおける公衆衛生分野のリーダーとして、研究と教育の発展に長年尽力されています。本会議では、世界各国の専門家や研究者、政策立案者が一堂に会し、それぞれの研究成果を共有するとともに、健康課題の包括的な解決に向けて議論されました。
さらに、本会議では、感染症、非感染性疾患(NCDs)、気候変動や貧困問題による健康格差などの健康リスクを含めた「疾病の三重負担」について、地域ごとの特徴や影響について議論しました。また、看護学が主導する持続可能な解決策や、地域社会や国際的な協力体制の構築に向けた実践的なアプローチも議論の中心となりました。
このような学術交流の場は、現代の複雑な健康課題に取り組むための重要な機会であり、看護学の可能性をさらに広げる機会となります。本学においても、引き続きグローバルな視点から様々な健康問題解決に向けた研究を推進し、地域の健康問題解決に貢献できるよう尽力してまいりたいと思います。
TBDConference2025 Scientific Program
*Triple Burdens of Diseaseとは、以下の3つの健康負担を指します。
- 感染症や母子保健に関連する伝統的な疾病負担
- 非感染性疾患(NCDs: Non-Communicable Diseases)の増加
- 環境や社会的要因による新たな健康リスク
共催校(co-host) としての参加
主催校のマヒドン大学以外に、タイ、日本、台湾、香港、中国、アメリカ等26校のco-hostの参加がありました。日本からは本学の他、聖路加国際大学、九州大学の参加がありました。Co-hostとしての役割は、国際会議でのシンポジウム発表や国際会議参加、座長や国際会議での発表などがありました。本学からは、ヘルスプロモーションケア科学 横山教授、ウィメンズヘルスケア科学 和木准教授、ヒューマンケア科学 冨澤講師、ヘルスプロモーションケア科学 笹木特任講師4名が参加し、国際会議での発表を行いました。
国際会議における発表について
ポスター発表
ヘルスプロモーションケア科学の笹木特任講師が、横山教授と共著で、“A literature review on social isolation and loneliness among child-rearing mothers in Japan ”をテーマとした研究についてポスター発表を行いました。Poster Sessionでは、多くの大学の先生から質問を受け、研究の内容について討議をすることができました。
ポスター発表
右)横山教授 左)笹木特任講師
Dr.Chintana Wacharasinとの討議
口演発表
1月8日午後に、口頭発表が実施されました“Nursing Innovation”、“Management of Care”、 “Public Health & Community”、 “Mental Health”、“Health System & Policy”の5つのカテゴリーがあり、約40演題の発表登録がありました。
各々のカテゴリーごとの部屋に分かれて発表が実施されました。タイ、日本、香港や中国などの参加者の発表がありました。
Nursing Innovationのカテゴリーで、ウィメンズヘルスケア科学の和木准教授より、“Effectiveness of SP6(san yin jiao) acupressure during the first stage of labor on duration of labor:Systematic review and meta-analysis”として発表を行いました。分娩促進効果があるといわれる三陰交のツボ指圧刺激が、分娩時間の短縮をもたらすかどうかの効果検証に関するシステマティック・レビュー、メタアナリシスの結果に関して報告を行いました。分娩時間短縮の効果の可能性が示唆されますが、異質性が非常に高く、対象RCTが5件と少ないものでした。フロアからは、高い異質性の原因は何かという質問などがあり、有意義な発表を行うことができました。
和木准教授の口頭発表
質疑応答
タイ王国マヒドン大学との交流
タイ王国マヒドン大学の修士課程に在籍する大学院生7名が、2024年7月1日(月)~7月2日(火)に本学へ訪問されました。
本学スキルシュミレーションセンターの見学1
本学スキルシュミレーションセンターの見学2
大阪急性期・総合医療センターの見学