センター長あいさつ
センター長あいさつ
生物資源開発センターは、大学の先端的バイオテクノロジーと民間企業の産業技術を融合することで大阪府下の企業の発展に寄与することを目的として1992年に設立されました。それ以来今日に至るまで、本施設は新鋭機器を導入し、広い新規分野の開拓を可能にする努力も弛まず行ってきました。日々の努力は多くの企業にも評価され、相互信用に支えられた長期に渡る共同研究も行われ、その成果を社会へ還元しています。現在では、本施設は地域との連携だけでなく、府外の企業とも連携し、バイオテクノロジー・バイオサイエンス分野における新技術や製品の開発を推進するための施設として利用されています。
21世紀となってから20年以上が過ぎ、医薬品、農林水産品・食品、化成品などに関連した科学技術や産業は目覚しい進展を遂げています。一方で、地球環境を保全しつつ、人類社会を持続的に繁栄させるために、持続可能なエネルギーと資源を確保することが国内外で直面している大きな課題となっており、生物資源を活用する新しい物質生産やエネルギー供給体系の確保が必要不可欠です。また日本においては超高齢社会に突入し、自立した健全な社会を維持するために健康寿命の延伸が望まれており、疾病に対する治療薬だけでなく、疾病に対する予防・改善に関連した健康対策が必要とされています。このようにSGDsを意識した社会情勢に合わせて、社会のニーズも大きく変遷してきています。健康、農業、環境、エネルギーなどに関する従来のプロジェクトの継続に加え、産学の有する技術融合をさらに強化することは、生物資源や生物機能を活用した技術の開発や創出につながると期待されます。
今後はSDGsだけでなく、SDGsの先を見据えた社会ニーズに応えるため、バイオテクノロジー・バイオサイエンス分野における解決すべき課題が多様化すると思われます。本センターは今後も産学連携を強化して、持続可能な社会を未来に引き継ぐために産学連携を通して貢献していくつもりです。今後とも本センターとの共同研究の推進、運営などにつきましてご支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
農学研究科・教授 山地亮一