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2024年9月23日

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第13回東アジア包摂都市ネットワーク・ワークショップ開催報告

~ 東アジア包摂都市ネットワークについて ~

 東アジア社会で加速する少子高齢化に伴い、新しい社会的リスクに直面している。それはジェンダー間の格差や貧困の女性化、子どもの貧困やヤングケアラーなど、「ケアの危機」とも称される問題と結び付きながら顕在化している。それに加え都市の脆弱化が進み大規模災害が頻出するなど、社会の分断や都市が抱える脆弱性への対応が、なお一層求められている。

 これらの課題に対応するため、私たちはここ十数年にわたり、東アジア包摂都市ネットワークの設立に向けた努力を続けてきた。今回のワークショップはそのネットワークのさらなる発展に向けた出発点となることが期待される。

第13回東アジア包摂都市ネットワーク・ワークショップ開催報告

 東アジア都市間の包摂的なネットワークの形成を目指して開催してきた13回目のワークショップを、香港のSaint Francis Universityを会場に、香港各地での現地交流も兼ねて開催した。

 開催地の香港のメンバーの他、日本、韓国、台湾各地からの参加者で賑わい、三日間にわたり4つのセッションに分かれて都市が抱える最先端の課題について政策や実践事例の共有を行った。ハイブリッド形式で開催された報告では、報告者の数だけで16名、ポスター発表8件、そして基調講演や講評を兼ねた講演も行われ、活気のあるワークショップとなった。また、日本の堺市をはじめ、韓国のソウル市城東区の政策担当者による報告もあり、各地の都市間の交流を媒介するような場となったことも大きな成果の一つである。

 若手の研究者の参加を通して次世代の研究者の育成に貢献できている点も本ワークショップの特徴であり、またなによりも現場の実践者による報告では、各地の先進的な事例報告による草の根レヴェルの交流の可能性も広げてくれた。年を重ねながら開催する中で、参加者や都市・地域間の輪の広がりが大きくなっていることも、本ワークショップの大きな成果と言えよう。

実施期間 : 2024年8月21日(水) ~ 2024年8月23日(金)
参加者数 : 114名(オンライン・オフライン) 

13thEA-ICN_1.jpg【写真1】 二日目の中間居住施設への現地視察の様子

13thEA-ICN_2【写真2】 ワークショップ終了後の記念写真