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2024年12月9日

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2024年度UReC国際シンポジウム開催報告

 2024年12月1日(日)に、「UReC国際シンポジウム《東アジアのケアレジーム:子育て・教育・家事・ケア労働の視点から》」が、本学杉本キャンパス高原記念館学友ホール及びオンライン会場にてハイブリッド形式で開催されました。

 当日は休日にも関わらず30人を超える参加者(オンサイト)で賑わいました。

 2024UReC国際シンポ_01チラシ

2024UReC国際シンポ_02所長挨拶

          【重松所長による開会の挨拶】

 今回は、本センターのもう一つの特徴ある研究テーマである、東アジアの都市間交流のプラットフォームの形成という観点から、近年の東アジアに共通する人口減少や経済の低迷、子育て・教育・介護や介助等の人材不足やサービスニーズの複合化に伴う問題を取り上げました。それは「ケアの危機」とも称されており、各国・地域での現状や問題の解決に向けた政策的かつ実践的な創意工夫や取り組みについて知見を共有する場となりました。

2024UReC国際シンポ_03ソウル市報告【ソウル市教育庁教育福祉コーディネーター、LEE Mi Young 
     さんによる「ソウル型教育福祉事業」の紹介の様子】

 一方、少子高齢化が進展する中経済の低迷が続き、労働力不足を補うために移住労働者の受け入れが増えてきました。さらに女性の社会進出が進んだことに伴い、ケア労働の侵食が進み、「ヤングケアラー」や「ダブルケアラー」のような新たな社会的リスクや、新しい生活困難層の増加が、大きな社会的課題として台頭しています。

 そこで、本国際シンポジウムでは、移民の送出国であるフィリピンや在日フィリピン人の動向をはじめ、移民の受け入れ国として、儒教という共通規範を持ち近代的な家族モデルの影響下で福祉やケア責任の多くを家族に転嫁してきた、台湾や韓国、日本の現状や関連施策・実践について共有しました。

2024UReC国際シンポ_04総合討論

【総合討論の様子】

 一日だけで十分に内容を吟味するには困難なテーマでもありましたが、今回のシンポジウムが、新たな共同研究を模索するための第一歩となった点に大きな意義があると思われます。