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2023年8月22日
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第131回 生物科学フロンティアセミナー:2023年8月31日(木)16:45~
自己集合体のケミカルバイオロジー
上杉 志成 先生 (京都大学化学研究所 教授・WPI-iCeMS 拠点長)
日時:令和5年8月31日(木)午後4時45分より
場所:中百舌鳥キャンパス A13棟2階228号室
生物は煎じ詰めれば化学物質でできている。しかし、化学物質は生物ではない。化学物質はどの段階から「生物らしさ」を得るのだろうか。私たちの研究室では、「化学物質の自己集合」が化学物質と生物の境界の根幹だと考えている。細胞内には膜オルガネラ、非膜オルガネラ(液-液相分離体)、細胞骨格、クロマチンなどの自己集合体があり、生命を維持している。逆に考えれば、このような生物学的な集合体を、自己集合する小分子化合物によって模倣・制御できると想像できる。
この講義では、私たちが低分子化合物ライブラリーのスクリーニングから発見した、ユニークな自己集合小分子化合物を紹介する。これらの分子は、集合して初めて、細胞増殖、細胞接着、小胞体ストレス、免疫応答を制御する (1-4)。その作用機序を分子レベルで理解することで、従来の小分子化合物では不可能な生物活性をもつ化合物の設計が期待される(5)。
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Small Molecule-Induced Clustering of Heparan Sulfate Promotes Cell Adhesion
Takemoto, N. et al. J. Am. Chem. Soc. 135 (30), 11032−11039 (2013) -
Synthetic Molecules That Protect Cells from Anoikis and Their Use in Cell Transplantation
Frisco Cabanos, H.L. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 53 (42), 11208-11213 (2014) -
Discovery of Self-Assembling Small Molecules as Vaccine Adjuvants
Jin, S. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 60 (2), 961-969 (2021) -
Discovery of a Phase-Separating Small Molecule That Selectively Sequesters Tubulin in Cells
Ado, G. et al. Chem. Sci. 13, 5760 - 5766 (2022) -
Magnetic Control of Cells by Chemical Fabrication of Melanin
Nishio, K. et al. J. Am. Chem. Soc. 144 (37), 16720–16725 (2022)
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(世話人・中瀬 生彦)
パンフレットは↓