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2024年6月27日

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第139回 生物科学フロンティアセミナー:2024年7月3日(水)13:15~

乳がん悪性化機構の解明と新治療戦略の創出

中瀬 朋夏 先生 (武庫川女子大学 薬学部 大学院薬学研究科 未来医療創薬イノベーション分野 教授)

日時:令和6年7月3日(水)午後1時15分より

場所:中百舌鳥キャンパス A12 棟(サイエンスホール)

現在、日本において、20〜39 歳(AYA 世代後期)のがん患者の約80%は女性である。そのがん種は乳がんの割合が最も高く、中でも進行した症例やトリプルネガティブ乳がん(Triple-negative breast cancer; TNBC)が、他の世代に比べて多い。TNBC は、女性ホルモン受容体および Human epidermal growth factor receptor type2 (HER2)の発現がなく、乳がん治療に用いられている分子標的薬は適さない上に、転移や再発を引き起こしやすく、生命予後は極めて悪い。そのため、TNBC の新たな治療標的の解明と、それに基づいた有効なTNBC 治療法の開発は喫緊の課題である。近年、TNBC を含む進行した乳がんでは、腫瘍組織とその近傍の温度が、乳房の正常な組織に比べて約2 度も高温であり、乳がんの悪性化に腫瘍組織の温度上昇が重要な役割を果たしているとの報告がある。しかし、高温において、乳がん悪性化を制御する分子機構は未だ不明である。我々は、高温におけるTNBC 細胞の生存戦略に対し、転移に重要なトランスポーターが関与することや、臨床で使用されている既存薬が有用である可能性を明らかにしつつある。本セミナーでは、我々の最新の知見を中心に、これまで隠れていたTNBC 進展の分子機序を紐解き、新たなTNBC 治療戦略の開発に新視点から迫る。

事前参加申し込みは不要です。会場まで直接お越しください。

(世話人・連絡先:中瀬生彦、藤原大佑、道上雅孝)

パンフレットは↓