学域長挨拶

現代社会の問題を俯瞰的に捉え、サステイナブル(持続可能)な社会を創る人を育てたい。
現代システム科学域では、そう考えます。

現代システム科学域長 菅野 正嗣

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ニュースでは毎日のように世界各地で起こっている気候変動、資源や食料の枯渇問題、経済格差の拡大、政治システムの機能不全が伝えられており、紛争も収束する目処が立っていません。人類が今まで行ってきた課題解決方法では現代社会の持続可能性(サステイナビリティ)を維持することは困難であり、まさに現代社会は「限界システム」であると言えます。さらに近年、AIがありとあらゆる分野に導入されてきており、人々の働き方や生活を大きく変えようとしています。しかし戦争におけるAIによる自律的な武器の制御のような、人類の存亡の危機さえ招きかねない技術開発競争が行われていることも事実です。

では、持続可能な社会を創ることのできる人とはどのような人なのでしょうか。まず、現代社会の問題を個々の事象だけで捉えるのではなく、自然と人間との複雑な関係をさまざまな側面から理解し、全体としてどのように変化しているのかを俯瞰的に捉えることができなければなりません。また、あくまでもすべての人々の尊厳が守られる社会を作っていくことを目標とし、知識や技術はそのために身に付けるものであるという高い倫理観と使命感を持っていることも必要でしょう。

現代システム科学域はそのような人を育てていきたいと考えています。もちろんこれだけの力をつけるには、幅広い分野の知識を学び、多くの実践経験を積む必要があり、卒業までも楽な道のりではありません。それでも果敢にチャレンジしたいと思う人は、ぜひ現代システム科学域で学んでください。そして、同じ志を持っている私たち教職員と一緒に、サステイナブルな社会を築いていきましょう。