研究

動物の受精研究および生殖技術開発(金子)

 遺伝子改変(ゲノム編集)技術の開発(金子)

希少野生動物の人工繁殖に関する研究(金子)

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金子研究室

遺伝性白内障の発症を緩和する因子の解明

白内障は70歳を超えると発症率が50%を越えるといわれていますが、早ければ45歳で発症する場合もあります。一方、特定の疾患を発症する遺伝的素因を有している場合でも、その発症時期を遅延させることにより、 Quality of Life (QOL)を高めることが可能で、遺伝性疾患の発症を左右する要因として遺伝的背景、ならびに栄養(食生活)などが挙げられます。我々は白内障モデルマウスに抗酸化物質を摂取させることによる白内障発症率、発症時期、ならびに症状への影響を明らかに(岡田)するとともに、発症抑制や発症遅延に関わる修飾遺伝子の解明(近藤)に取り組んでいます。

早産に伴う低出生体重児の疾病リスクに関する研究(近藤)

先に述べたように胎児発育不全(FGR)に陥ると、児は低体重で出生する可能性が高くなりますが、低出生体重児となる主な原因にはFGRの他に早産があります。FGRモデル動物を使った研究が数多く行われているのに比較して、早産モデル動物を使った研究はあまり行われていないこともあり、早産に伴う低出生体重児が成長した後にFGRによる低体重出生同様の疾患リスクを持つかどうかについては完全には明らかになっていません。そこで我々は自然早産による低出生体重児の将来の疾患リスク研究には適しているモデル動物を使用し、早産児の将来的な疾病リスクやその予防法、FGRによる低出生体重児との違いについて解析しています。

腎臓疾患に起因する胎児発育不全(FGR)に関する研究(岡田)

胎児の発達は母体環境下で進行するため、母体環境の変化は胎児の発達に影響を及ぼします。そのため母体低栄養状態や胎盤循環障害時では、胎児は発育不全(FGR)に陥り、低体重で出生することになります。またFGRによって低体重で出生した児は成熟後のメタボリックシンドローム発症の危険性が高まることも知られています。FGRモデルは多く存在しますが、母体腎臓疾患に起因するFGRモデルは報告されていません。我々の研究室では妊娠母体に5/6腎臓摘出手術を施し、母体腎不全を引き起こした場合、FGRが引き起こされることを見出しました。母体腎不全を引き起こした場合の胎児の発達を調べることにより、FGRモデルとしての特性を明らかにするとともに、メタボリックシンドローム発症リスク軽減の方法の解明にも取り組んでいます。

虚血性学習記憶障害に対する改善効果を有する物質の探索(岡田)

スナネズミは後交通動脈が欠損している個体が多く、両側総頚動脈を閉塞することで容易に前脳虚血を引き起こすことができます。スナネズミに一過性脳虚血手術を施すと、血流回復後1週間ほどで、海馬錐体細胞が死亡し、遅発性神経細胞死を示すとともに学習記憶障害に陥ることを明らかにしてきました。この脳虚血モデルスナネズミに植物由来化学物質(抽出液)や抗酸化物質を摂取させることによる脳神経障害軽減作用を明らかにしています。