教員紹介
大野 工司 教授
専門分野のキーワード:
高分子、精密重合、微粒子、コロイド、自己組織化
材料化学領域
先端高分子材料研究グループ
研究内容:
高分子が汎用的な構造形成材料としてのみならず、高機能・高性能を有する高付加価値型材料として様々な分野で利用されるようになり、精密な高分子材料設計の重要性が増しています。そこで、各種精密重合法を駆使して付加価値の高い高分子材料の設計に取り組んでいます。なかでも、特殊構造を有する高分子組織体で被覆された微粒子の精密合成と機能の解明に注力しています。精密に構造制御された複合微粒子は自己組織化によりコロイド結晶・液晶を形成することから、新しい光制御材料の開発を行っています。また、特殊な表面構造をもつ微粒子は生体に優しくバイオ分野への応用も行っています。
Selected publications:
- Aluminum-Based Initiators from Thiols for Epoxide Polymerizations,
Niloofar Safaie, Bandana Rawal, Kohji Ohno, Robert. C. Ferrier Jr.,
acromolecules M, 2020, 53, 8181–8191. - 1Structural Color Materials Using Polymer-Brush-Decorated Hybrid Particles,
Kohji Ohno, Yuuki Mizuta,
ACS Appl. Polym. Mater., 2020, 2, 132–137. - Controlling the Thermally Induced Phase Separation of Polymer/Ionic Liquid Blended Films with Concentrated-Polymer-Brush-Decorated Hybrid Particles,
Yoshikazu Yahata, Shoko Marukane, Takaya Sato, Yoshinobu Tsujii, Kohji Ohno,
Langmuir, 2019, 35, 14566–14575.
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金野 泰幸 教授
専門分野のキーワード:
耐熱合金、金属間化合物、合金設計、組織制御、結晶塑性
材料工学領域
先端素形材研究グループ
研究内容:
ジェットエンジンやガスタービン、あるいは熱間加工用工具など高温で使用される部材には高い耐熱性と高温強度が必要とされます。私たちのグループでは金属間化合物と呼ばれる特殊な合金を設計し、微細組織や構造を制御することで、これまでにない耐熱金属材料を作り出す研究を進めています。高温特性が良い材料ができるとエンジンの燃費が向上したり、製品寿命が延びるなど、エネルギーや資源利用の観点からもCO2削減などの地球環境に貢献する技術として期待が持たれています。
Selected publications:
- Unidirectional crystal orientation for Ni3Al-based alloys by laser irradiation
S. Semboshi, H. Nakamura, Y. Kawahito, Y. Kaneno, T. Takasugi
Metals, 10, 5123–5126 (2020) - Effects of Iron Addition on the Microstructures and Mechanical Properties of Two-phase Ni3Al-Ni3V Intermetallic Alloys
H. Kato, S. Semboshi, Y. Kaneno, T. Takasugi
Metallurgical and Materials Transactions A, 52, 2469-2479 (2020) - Microstructures and tensile properties of off-stoichiometric Ni3Al–Ni3V pseudo-binary alloys
K. Ioroi, Y. Kaneno, S. Semboshi, T. Takasugi
Journal of Materials Research, 34, 3061-3070 (2019)
世界初の二重複層組織の透過電子顕微鏡写真
Ni基超々合金製の試作品(左から、自動エンジン部品、摩擦攪拌接合ツール、超耐熱金型)
髙橋 雅英 教授
専門分野のキーワード:
有機−無機ハイブリッド、応答性材料、ナノ材料、ゾルーゲル
材料化学領域
ナノテク基盤材料研究グループ
研究内容:
ビーカーの中、すなわち液中での反応を制御して機能性材料を作り出す研究を進めています。溶液中では、イオンや分子として溶け込むために、それらを基本単位として微小な構造(すなわち、結晶構造、分子配置など)から、メソ〜マクロ構造(数nm〜数μm以上)まで様々な空間の形や成分を精密に制御することで、新たな機能性を生み出したり、増幅したりすることで、これまでに無い新規な材料を実現します。特に、環境に応答するスマート材料、環境浄化や水の回収に貢献する環境材料、電子/光機能性を有するハイテク材料に着目して研究を進めています。
Selected publications:
- “Oriented films of metal-organic frameworks on metal hydroxides via heteroepitaxial growth”,
Takahashi M.,
Bull. Chem. Soc. Jpn. - "Oriented Growth of Multiple Layered Thin Films of Metal-Organic Frameworks (MOF-on-MOF) "
Ikigaki K., Okada K., Tokudome Y., Toyao T., Falcaro P., Doonan C.J., Takahashi M.,
Angewandte Chemie International Edition, 58, 6886–6890 (2019). (Cover page paper) - “Centimetre scale micropore alignment in oriented polycrystalline Metal-Organic Framework films via heteroepitaxial growth”,
Falcaro P., Okada K., Hara T., Ikigaki K., Tokudome Y., Thornton A.W., Hill A.J., Williams T., Doonan C., Takahashi M.,
Nature Mater., 16, 342-348 (2017).
シェフがおいしい料理を作るように、ビーカーからびっくりするような機能性材料を作り出します!
瀧川 順庸 教授
専門分野のキーワード:
構造材料、高強度、高延性、ナノ結晶材料創製、高温変形
材料工学領域
信頼性材料研究グループ
研究内容:
高い強度・延性バランスを有する高信頼性構造材料の開発および開発のための基礎的な研究を実施しています。例えば、第一原理計算結果を参考に材料中の添加元素の存在形態を制御するとともに、超高純度合金を用いた添加元素の力学的特性への影響についての実証実験を行っています。また、最適設計をした合金に対して、高信頼化のための微細結晶粒バルク材料創製プロセスの開発に関する研究を行っています。さらに、大型構造部材への応用を目指して、高品位接合技術に関する研究も実施しています。
Selected publications:
- Microstructural heterogeneity in the electrodeposited Ni: insights from growth modes
I. Matsui, A. Watanabe, Y. Takigawa, N. Omura, T. Yamamoto
Scientific Reports, 10, 5548 (2020). - Ductile electrodeposited Al from a dimethylsulfone bath with trace amounts of tin chloride
C. Kuma, K. Sato, I. Matsui, Y. Takigawa, T. Uesugi, K. Higashi
Mater. Lett., 244, 192-194 (2019) - Effect of orientation on tensile ductility of electrodeposited bulk nanocrystalline Ni-W alloys
I. Matsui, T. Uesugi, Y. Takigawa and K. Higashi
Mater. Sci. Eng. A578, 318-322 (2013).
強くてしなやかに変形する材料の開発に取り組んでいます
森 茂生 教授
専門分野のキーワード:
電子顕微鏡学、材料物性、構造解析、不規則系材料、電池材料
材料物性学領域
材料構造物性研究グループ
研究内容:
原子レベルの空間分解能を持つ透過型電子顕微鏡やローレンツ電子顕微鏡を主な研究手法として、物質内部に存在する不均質構造やナノスケールでのテクスチャ構造(分域構造、磁区構造、磁壁構造・欠陥構造・トポロジカル欠陥)およびその外場(温度・磁場等)応答や構造変化を調べ、磁性や誘電性などの機能発現のメカニズムについて研究しています。また最近では、全固体電池の電池特性を向上させ、実用化に資する材料開発を目指して、固体電解質材料(リチウムイオン伝導体、ナトリウムイオン伝導体等)に対して、ナノスケールでの微細構造やイオニクス固体界面構造について研究しています。実用化につながる応用研究を念頭に入れながら、大学での研究の独自性を出せるような“応用基礎研究”を行うように心がけています。
Selected publications:
- Charged domain boundaries stabilized by translational symmetry breaking in the hybrid improper ferroelectric Ca3–xSrxTi2O7
Hiroshi Nakajima, Kosuke Kurushima, Shinya Mine, Hirofumi Tsukasaki, Masaya Matsuoka, Bin Gao, Sang-Wook Cheong & Shigeo Mori
Communications Materials volume 2,, Article number: 109 (2021) - Recent advances in small-angle electron diffraction and Lorentz microscopy
S. Mori, H. Nakajima, A. Kotani, K. Harada,
Microscopy, 70, 1, 59-68 (2021). - A New Aspect of the Charged Domain Wall in Hexagonal RMnO3 Systems (R: Y, In)
S. Mori, H. Ishizuka, Sang-Wook Cheong, N. Nagaosa, Y. Yamada
J. Phys. Soc. Jpn 88, 124603 1-8 (2019).
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鈴木 通人 教授
専門分野のキーワード:
物性理論、材料設計、磁性材料、トポロジカル物質、第一原理計算、強相関物質、重い電子系
材料物性学領域
材料設計理論研究グループ
研究内容:
物質の性質はその構成要素である原子と電子の状態によって決まりますが、その理解には群論やトポロジー理論などの数理手法を用いた解析が必須になります。物質の機能性の多くは、磁性の発現や不純物の存在といったさまざまな「対称性の破れ」に起因して生じますが、多くの機能性材料が有する複雑に対称性が破れた状態の解析は現代においても容易ではなく、それら現象の理解や予測には、シミュレーション手法と解析理論のさらなる発展が欠かせません。当研究グループでは、物性科学・数理科学・計算科学の融合によって基礎と応用の両面から物質の機能性にせまり、既存の枠組みにとらわれない、実践的な材料設計理論の構築を目指します。
Selected publications:
- High-performance descriptor for magnetic materials: Accurate discrimination of magnetic structure
Michi-To Suzuki, Takuya Nomoto, Eiaki V. Morooka, Yuki Yanagi, and Hiroaki Kusunose
Phys. Rev. B 108, 014403/1-11 (2023) - Multipole expansion for magnetic structures: A generation scheme for symmetry-adapted orthonormal basis set in crystallographic point group
M.-T. Suzuki, T. Nomoto, R. Arita, Y. Yanagi, S. Hayami, and H. Kusunose
Phys. Rev. B 99, 174407/1-10 (2019) - First-principles theory of magnetic multipoles in condensed matter systems
Michi-To Suzuki, Hiroaki Ikeda, and Peter M. Oppeneer
J. Phys. Soc. Jpn. 87, 041008/1-24 (2018)
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中平 敦 教授
専門分野のキーワード:
セラミックス、バイオ、環境、材料開発
材料化学領域
生体材料研究グループ
研究内容:
特に、多孔組織や層状構造などの新規構造を持つセラミックスの材料開発と構造評価を行っている。特にアパタイトやZrO2などのバイオセラミックス材料の開発、水・土壌環境浄化、ガス分離(CO2など)に関わるセラミックスを中心とした材料研究を進めている。また、SDGsの観点からも重要な種々廃棄物の利材化に関わる基礎的研究も行っている。Selected publications:
- Ligand-assisted liquid templating in mesoporous Niobium oxide molecular sieve
D. Antonelli, A. Nakahira, J.Y. Ying
Inorganic Chem, 35, 3126-3136(1996). - Nanostructure Processing of Hydroxyapatite-based Bioceramics,
E. S. Ahn, N. J. Gleason, A. Nakahira, J.Y. Ying,
Nano Letters, 1, 149-53 (2001). - Atomic sites and stability of Cs1 captured within zeolitic nanocavities,
Kaname Yoshida, Kazuaki Toyoura, Katsuyuki Matsunaga, Atsushi Nakahira, Hiroki Kurata, Yumi H. Ikuhara, Yukichi Sasaki,
Scientific Reports, 3, 2457-62(2013).
池野 豪一 准教授
専門分野のキーワード:
計算材料学、マテリアルズインフォマティクス、エネルギー変換触媒、蛍光体、内殻電子分光
材料物性学領域
計算材料科学研究グループ
研究内容:
鮮やかな色を示す、電流が流れる、磁石につくなどの物質の性質は、実は原子の並び方とその中を運動する電子の振舞いによって決まります。私達はコンピュータを使って物質中の電子の運動をシミュレートし、磁性体・蛍光体・触媒などのマテリアルの機能特性を計算から予測する研究を行っています。最近では、人工知能(AI)に用いられる情報科学的手法を応用して、新しいマテリアルの設計を行う研究も行っています。Selected publications:
- Oxygen Evolution via the Bridging Inequivalent Dual-Site Reaction: First-Principles Study of a Quadruple-Perovskite Oxide Catalyst
A. Takamatsu, I. Yamada, S. Yagi, H. Ikeno
The Journal of Physical Chemistry C, 121, 28403-28411 (2017). - Systematic Study of Descriptors for Oxygen Evolution Reaction Catalysis in Perovskite Oxides
I. Yamada, A. Takamatsu, K. Asai, T. Shirakawa, H. Ohzuku, A. Seno, T. Uchimura, H. Fujii, S. Kawaguchi, K. Wada, H. Ikeno, S. Yagi
The Journal of Physical Chemistry C, 122, 27885-27892 (2018). - 2p x-ray absorption spectroscopy of 3d transition metal systems
F.M.F. de Groot, H. Ikeno, et al.
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena
徳留 靖明 准教授
専門分野のキーワード:
無機材料化学、溶液化学、エネルギー科学、医用材料、コロイド化学
材料化学領域
生体材料研究グループ
研究内容:
「環境問題やエネルギー問題の解決に貢献するマテリアル」や「新しい診断・治療を可能にするようなマテリアル」の開発をおこなっています。たとえば、二酸化炭素や有害イオンを吸着するような吸着剤/固体触媒、毛細血管を3次元可視化するためのX線造影剤などを開発しています。環境に優しくシンプルなプロセスで合成される「特異な構造・組成・界面構造を有する機能性マテリアル」を提案し、現代社会の諸問題の解決に貢献します。
Selected publications:
- Y. Tokudome,* T. Morimoto, N. Tarutani, P. D. Vaz, C. D. Nunes, V. Prevot, G. B. G. Stenning, M. Takahashi,
”Layered Double Hydroxide Nanocluster: Aqueous, Concentrated, Stable, and Catalytically-Active Colloids Towards Green Chemistry”,
ACS Nano, 10, 5550-5559, 2016. (オープンアクセス) - Y. Tokudome,*
“Aqueous Synthesis of Metal Hydroxides with Controllable Nano/Macro Architectures”,
J. Ceram. Soc. Jpn., 125, 587-602, 2017.(オープンアクセス) - Y. Tokudome,* G. Poologasundarampillai,* K. Tachibana, H. Murata, A. J. Naylor, A.Yoneyama, A. Nakahira,
“Curable LDH Nanoparticles Based Perfusion Contrast Agents for X-ray CT imaging of Vascular Structure”
Adv. NanoBiomed Res., 2100123, 2021. (オープンアクセス).
井上 博之 准教授
専門分野のキーワード:
腐食防食、地層処分、電気化学ノイズ、腐食モニタリング
材料工学領域
先端素形材研究グループ
研究内容:
各種金属材料の腐食機構の解析と防食方法の検討。高レベル放射性廃棄物の埋設処分容器の超長期耐食寿命の評価。電気化学ノイズ法を用いた腐食モニタリング技術の開発。放射線照射下での鉄鋼材料の腐食速度への環境因子の影響。
Selected publications:
岡田 健司 准教授
専門分野のキーワード:
溶液プロセス、有機-無機ハイブリッド、界面、ナノ材料
材料化学領域
ナノテク基盤材料研究グループ
研究内容:
材料間、特に有機物質と無機物質の界面を設計・制御して機能性材料を作り出す研究を行っています。異なる2種類の物質の界面では、分子の配列や電子密度の増加など単一物質では生み出せない特異な状態を生み出すことができます。特に、有機物質と無機物質の界面には、界面での化学結合の多様性や無限とも言える物質の組み合わせが存在することから、新しい機能を創出する可能性に満ちあふれています。有機物質と無機物質の界面を設計・制御してこれまでにない新しい界面を創製することで、環境に応答するスマート材料や特異な電子・光機能を示す有機材料・有機無機ハイブリッド材料の創製を行っています。
Selected publications:
- Oriented growth of semiconducting TCNQ@Cu3(BTC)2MOF on Cu(OH)2: crystallographic orientation and pattern formation toward semiconducting thin-film devices
K. Okada, K. Mori, A. Fukatsu, M. Takahashi
Journal of Materials Chemistry A, 9, 19613-19618 (2021) - Controlling the alignment of 1D nanochannel arrays in oriented metal–organic framework films for host–guest materials design
K. Okada, M. Nakanishi, K. Ikigaki, Y. Tokudome, P. Falcaro, C. J. Doonan, M. Takahashi
Chemical Science, 11, 8005-8012 (2020) [OPEN ACCESS] - Centimetre-scale micropore alignment in oriented polycrystalline metal–organic framework films via heteroepitaxial growth
P. Falcaro, K. Okada, T. Hara, K. Ikigaki, Y. Tokudome, A. W. Thornton, A. J. Hill, T. Williams, C. Doonan, M. Takahashi
Nature Materials, 16, 342-348 (2017)
木村 健太 准教授
専門分野のキーワード:
磁性、誘電性、光学特性、キラリティ、電磁応答材料、遷移金属酸化物
材料物性学領域
電磁応答料研究グループ
研究内容:
電場、磁場、光といった外場に対する物質の応答(電磁応答)は、現代社会を支える電子デバイスの基盤です。当研究室では、固体物理と対称性に基づく物性・機能予測、固体化学に基づく物質設計と合成、精密測定による機能実証までを一貫して行うことで、特異な対称性の破れが生み出す驚くべき電磁応答・機能性物質を探究します。さらに、発見した電磁応答の微視的機構を明らかにしてその高性能化を進め、未来に役立つ革新的電磁応答材料の創製を目指します。
Selected publications:
- "Ferrotoroidic State Induced by Structural Rotation and Falsely Chiral Antiferromagnetism in PbMn2Ni6Te3O18",
Ryoya Nakamura, Ippo Aoki, and Kenta Kimura, accepted in J. Phys. Soc. Jpn. - "Nonvolatile Switching of Large Nonreciprocal Optical Absorption at Shortwave Infrared Wavelengths",
Kenta Kimura and Tsuyoshi Kimura,
Phys. Rev. Lett. 132, 036901 (2024). - "Visualizing rotation and reversal of the Néel vector through antiferromagnetic trichroism",
Kenta Kimura, Yutaro Otake, and Tsuyoshi Kimura,
Nat. Commun. 13, 697-1-8 (2022).
牧浦 理恵 准教授
専門分野のキーワード:
錯体化学、ナノ材料、薄膜電子デバイス、表面・界面科学
材料化学領域
複合ナノ材料研究グループ
研究内容:
物質をナノメートルスケールにまで小さくすること、異なる物質を組み合わせることで発現する特異な性質に着目しています。無機物、有機物、これらの複合体から成るハイブリッドナノ材料、特にエネルギー関連材料の創製に取り組んでいます。例えば、有機-無機ハイブリッド材料のひとつである金属錯体は、金属が持つ電子状態の多様性と有機化合物の優れた構造設計性が相乗的に組み合わされることにより、新規な物性・機能が創出されます。金属錯体を基盤物質として、電気特性の異なるナノシート(金属、半導体)や、分離・透過膜として利用可能な多孔性ナノシートを創製しています。
Selected publications:
- Takashi Ohata, Akihiro Nomoto, Takeshi Watanabe, Ichiro Hirosawa, Tatsuyuki Makita, Jun Takeya, and *Rie Makiura,
“Uniaxially Oriented Electrically Conductive Metal–Organic Framework Nanosheets Assembled at Air/Liquid Interfaces”,
ACS Appl. Mater. Interfaces, 13, 54570–54578 (2021). - *Rie Makiura, Kohei Tsuchiyama, Ehmke Pohl, Kosmas Prassides, Osami Sakata, Hiroo Tajiri, Oleg Konovalov,
“Air/Liquid Interfacial Nanoassembly of Molecular Building Blocks into Preferentially-Oriented Porous Organic Nanosheet Crystals via Hydrogen Bonding”,
ACS Nano, 11, 10875–10882 (2017). Open Access - *Rie Makiura, Soichiro Motoyama, Yasushi Umemura, Hiroaki Yamanaka, Osami Sakata, *Hiroshi Kitagawa,
“Surface Nano-Architecture of a Metal–Organic Framework”,
Nature Mater, 9, 565-571 (2010).
水上のナノファクトリー! 水面に油膜ができる現象を利用して常温常圧下で簡単に高機能錯体ナノシートを創製
深津 亜里紗 助教
専門分野のキーワード:
有機無機ハイブリッド、応答性材料、DNA、水、錯体化学
材料化学領域
ナノテク基盤材料研究グループ
研究内容:
エネルギー・資源問題、水問題、気候変動問題、ゴミ問題…。私たち人類は現在様々な問題に直面しています。私はこれらの問題の解決に貢献するべく、様々な有機物や無機物を組み合わせた新しい材料の開発に取り組んでいます。具体的には、天然資源が豊富なDNAやケイ素、炭素などを用いて、周囲の環境に応じて大きさや色、形が変わったり、水を吸ったり出したりするような材料などを開発しています。特に、無機物である金属イオンに、有機物または無機物の分子・イオンが結合した「金属錯体」の化学によって、これまでにないような新しい材料を生み出すことに力を入れています。
Selected publications:
- Modelling a ‘histidine brace’ motif in mononuclear copper monooxygenases
Arisa Fukatsu, Yuma Morimoto, Hideki Sugimoto, Shinobu Itoh
Chem. Commun., 56, 5123–5126 (2020) - Electrochemical analysis of iron-porphyrin-catalyzed CO2 reduction under photoirradiation
Arisa Fukatsu, Mio Kondo, Yuki Okabe, Shigeyuki Masaoka
J. Photochem. Photobiol. A: Chem., 313, 143–148 (2015) - Electrochemical response of metal complexes in homogeneous solution under photoirradiation
Arisa Fukatsu, Mio Kondo, Masaya Okamura, Masaki Yoshida, Shigeyuki Masaoka
Sci. Rep., 4, 5327 (2014)