お知らせ
紫綬褒章を受章 寺北教授インタビュー
2023年5月2日
- 受賞
- 理学研究科
- 研究
令和5年春の褒章において、「科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野で優れた業績を挙げた方」に送られる紫綬褒章を受章した寺北明久教授にお話を伺いました。
紫綬褒章 受章について
大変名誉なことでとても嬉しく思います。この受章は、ともに研究をしてきた共同研究者や学生の方々、また研究室を支えてくださった研究員や秘書の方々のおかげです。本学を始め多方面の方々の後押しに、大変感謝しております。印象に残っている研究
光をキャッチするタンパク質(オプシンと呼ばれています)の研究をずっと続けてきました。一番、思い出に残っているのは、今から26~7年前ですが、全く新しいオプシンをホタテガイの外套膜(ひも)にある小さな眼に見つけたこと。それまでは、脊椎動物と無脊椎動物(旧口動物)が持つ異なる2種類が知られていましたが、この第3のオプシン発見は、現在の光受容タンパク質の多様性・進化を考える際の原点となっていて、私にとって忘れられない瞬間でした。 研究スタイルとの関係かもしれませんが、ある目的で研究している際の、「副産物的」な発見が大きく発展することの方が多いのです。時間がかかった研究もたくさんありますが、「苦労」と感じたことは、あまりありません。
学生、若手研究者の皆さんへ
いろんな研究スタイルがあって良いと思いますが、自分が最も興味あることを、そのことについてはonly one で number oneの研究を目指してほしいと思います。高額な研究費を得るために無理をして研究テーマをそちらに寄せることの必要性に迫られることもあるかもしれませんが、どのような状況でもやはり、自分の興味を追求して行っていただきたいと思います。私は、理学、生物学ですので、そちらよりのコメントとしては、若い研究者には真理の探求を極めていただきたいと思います…普通すぎることを言っているかもしれませんね。
略歴
2022年度 – 現在: 大阪公立大学大学院 理学研究科 研究科長・教授
2006年度 – 2021年度: 大阪市立大学大学院 理学研究科 教授
2002年度 – 2005年度: 京都大学大学院 理学研究科 助教授
1995年度 – 2001年度: 京都大学大学院 理学研究科 助手
最近の研究
寺北教授の研究分野は、主に分子生理学。さまざまな動物を対象とし、視覚や視覚以外の光受容について、精力的に研究しています。
<プレスリリース>
ついに実証成功! 動物の光受容タンパク質が生体の行動をコントロールする「光スイッチ」となることを発見(2022年11月25日)
色覚の進化に驚きの事実!ヤツメウナギの松果体(脳内器官)による色検出メカニズムを解明(2021年9月16日)
色覚の起源にせまる! もっともシンプルな色検出システムを解明(2018年10月16日)
クラゲと脊椎動物 視覚の光受容タンパク質が可視光をキャッチするしくみの共通性を発見(2018年5月22日)
光遺伝学に新たな可能性! 光受容タンパク質の未知の特性を明らかに(2018年2月26日)
令和5年春の褒章について
https://www.omu.ac.jp/info/news/entry-05731.html
問い合わせ先
広報課
TEL:06-6605-3411
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