麻酔科研修

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前期臨床研修

当科は、大阪公立大学医学部附属病院前期臨床研修医を受け入れています。

研修期間の経験症例数は、全身麻酔を中心に1ヶ月当たりおよそ40症例です。末梢静脈路確保、動脈圧カテーテルや中心静脈カテーテルの挿入、気管挿管といった基本的な周術期手技や、周術期呼吸循環管理を学習します。個人の能力と進路に応じて、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔、やサブスペシャリティ(小児・心臓外科・産科)の麻酔なども経験していただきます。

当科は、研修医用マニュアルを整備しており、これに沿って手術麻酔について指導します。薬剤、システムなどの変更に伴って随時改訂しています。なお、研修開始後3日目に試験を行いますが、これに合格することが実技研修の必須条件です。

後期臨床研修

当科の後期研修は、日本麻酔科学会の教育ガイドラインに基づいています。

当科の研修プログラムは、当科だけでなく20以上の関連施設も含めた統合研修プログラムであり、日本麻酔科学会・専門医機構の公認プログラムです。

ペインクリニック

1. 後期研修の目標

麻酔科標榜医・認定医の取得

標榜医は、厚生労働省の定めた規定があります。満2年以上の麻酔科専従が原則必要です。
認定医は、標榜医取得後に麻酔科学会に申請すれば取得できます。

麻酔科専門医取得

専門医は上記の専門医研修プログラムによる研修を開始してから、満3年以上経過してからの受験申請となります。筆記試験と口頭・実技試験があります。
日本麻酔科学会の広汎な教育ガイドラインの全ての研修目標を当院と関連研修施設で経験可能です。
アメリカ心臓協会(AHA)のACLS講習又はPALS講習のプロバイダーカード取得が専門医申請の必須条件です。

2. 研修内容

前期研修からさらに進んだ全身管理について学習します(心臓血管外科麻酔、小児麻酔、産科麻酔など)。

ペインクリニック

慢性疼痛の治療、緩和医療など手術麻酔の経験を重ねた上で、希望に応じて行っています。

他施設で研修

当院で経験できない特殊な症例(小児麻酔など)や集中治療に関しては、希望に応じて他施設で研修していただいています。

3. FAQ

Q.いつまでが後期研修ですか

A.麻酔科専門医資格取得まで、すなわち6年目を一つの区切りと考えています。

Q.後期研修中、終了後の就職先は

A.最近数年では、JCHO大阪病院、大阪市立総合医療センター、関西電力病院、住友病院、大阪ろうさい病院などです。

Q.Subspecialityの研修はどのように行っていますか。

A.麻酔科医にとって一般的なsubspecialityとされる心臓血管外科麻酔、小児麻酔、産科麻酔、ペインクリニックに関しては全て当科で研修可能です。心臓血管外科麻酔研修は日本周術期経食道心エコー認定試験合格を一つの目標としています。

小児麻酔研修に関しては、当科での研修後に、希望に応じて大阪市立総合医療センターや兵庫県立こども病院にて1年程度研修をして頂いています。ペインクリニックは数ヶ月以上の研修を受けていただいた後、希望に応じてペインクリニック専門医取得のサポートを行います。

集中治療に関しては大阪市立総合医療センターICUや兵庫医科大学ICUで希望に応じて数ヶ月程度研修して頂いています。他のsubspecialityや大学院生の国内留学も希望に応じて可能です。

Q.前期研修を公大で受けた方が後期研修に有利ですか

A.有利、不利はありません。

Q.待遇はどのようなものでしょうか。

A.後期研修4年目まで前期臨床研究医、5年目以後は後期臨床研究医またはスタッフです(当院の場合)。大学院卒業後は関連病院もしくは大学病院のスタッフです。関連教育病院においては各病院の規定によりレジデントもしくは医員となります。

大学院在学中は当院の麻酔業務従事に対して規定の給与が支払われるとともに、関連病院の麻酔業務に従事していただくことで生計を立てることが十分に可能です。後期研修期間中は週に1回程度、関連病院に麻酔業務のために出向していただきます。大学からの本給と関連病院からの給与で一般病院と遜色のない待遇となっています。

4.教育システム

モーニングカンファレンス

週2回7:45より抄読会、レクチャー
毎朝8:00より当日の症例検討会、麻酔科術前コンサルト症例検討

勉強会

スタッフによる勉強会(不定期)、その他

学会参加・学会発表

主な参加学会
  • American Society of Anesthegiologists
  • 日本麻酔科学会
  • 日本ペインクリニック学会
  • 日本臨床麻酔学会
  • 日本集中治療学会
  • 日本心臓血管外科麻酔学会
  • 日本小児麻酔学会
  • 日本周産期麻酔科学会
  • 日本緩和医療学会

その他、地方会、研究会にも積極的に参加しています。

論文投稿

経験した症例などの論文投稿の指導を行います。
大学院生には、研究論文の指導を行います。