文科省新学術領域「重力波天体」A01
計画研究A01 「重力波天体からのX線・γ線放射の探索」
研究課題名 重力波天体からのX線・γ線放射の探索 研究代表 東京工業大学・大学院理工学研究科・教授 河合誠之
研究分担者 東京工業大学・大学院理工学研究科・助教 谷津陽一 宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所・主任開発員 冨田 洋 独立行政法人理化学研究所・先任研究員X線天文学 三原建弘 連携研究者 大阪大学・理学研究科・教授 常深 博 宇宙航空研究開発機構・研究員 上野史郎 青山学院大学・理工学部・教授 吉田篤正 日本大学・理工学部・准教授 根来 均 京都大学・理学研究科・准教授 上田佳宏
研究概要
KAGRA、Adv-LIGなどの重力波望遠鏡によって数年以内に検出される突発的重力波発生源の位置を正確に決定し、既知の天体と関連づけるためにはX線・可視光等の電磁波観測が不可欠である。到来方向決定精度(~数度)が低い重力波源を特定するためには、重力波発生と共に際立って目立つ信号を発すると予想されるX線を用いて重力波源の位置を絞込み(精度~0.1°)、光学望遠鏡などの詳細観測に結びつける必要がある。そのため、以下の二つのテーマで研究を進める。
(1) 大立体角X線監視装置の開発
重力波事象として想定される突発的X線・ガンマ線放射を検出するために、大天域を常に監視し重力波と同期して発生する電磁波現象を待ち受ける大立体角X線監視装置が必要である。現行のMAXIを発展させ相補的な観測を行うWF-MAXI(広視野MAXI)用軟X線大立体角カメラと硬X線モニターを開発する。
(2) 重力波源候補天体現象の観測研究
ガンマ線バーストの一部は、最も確実な重力波源である中性子星連星の合体によって発生すると考えられている。また超新星爆発も非球対称であれば重力波源となる。これら、重力波を発生すると予想される激変天体現象に対してX線・γ線を中心とする多波長観測を実施し、その物理機構を明らかにする。