文科省新学術領域「重力波天体」A02
計画研究A02 「天体重力波の光学赤外線対応現象の探索」
研究課題名 天体重力波の光学赤外線対応現象の探索 研究代表 広島大学・宇宙科学センター・教授 吉田道利
研究分担者 京都大学・理学研究科・教授 太田耕司 国立天文台・岡山天体物理観測所・助教 柳澤顕史 東京大学・理学系研究科・准教授 本原顕太郎 連携研究者 東京大学・理学系研究科・教授 土居守 広島大学・宇宙科学センター・准教授 川端弘治 名古屋大学・理学研究科・特任助教 永山貴宏 山口大学・時間学研究所・教授 藤澤健太
本計画研究について
重力波の放射源を特定し、その放射メカニズムに迫ることを目指し、 突発激変天体の光赤外・電波観測ネットワークを構築する。重力波との 同時検出および即時フォローアップ観測を行うために、光赤外広視野観 測装置を中心とした装置開発を行い、計画研究A04と連携して重力波ア ラートに対応した即時観測システム構築を行う。これらをフルに活用 し、計画研究A1とも密接に連携して、重力波源として有力視されている ガンマ線バースト、超新星、中性子星などの電磁波による観測研究を推 進する。また、計画研究A3による粒子観測とも連携したマルチメッセン ジャー観測を実施し、重力波天体の多角的な理解を目指す。 本研究では、(1)光赤外線広視野観測システムの構築:木曾1mシュ ミットカメラ用の超広視野CMOSセンサ型カメラ(超広視野CMOSカメラ) の開発、岡山91cm広視野赤外線望遠鏡(OAOWFC)の自動化、京大3.8m望 遠鏡に搭載する面分光器開発を中心に、超大量画像データから変動天体 を自動的に検出・測光する解析パインプラインの開発を進める。(2) 光赤外線の全地球的観測網の整備:中国西域部への50cm広視野ロボット 望遠鏡(中国50cm望遠鏡)を設置し、木曾、岡山、広島などの国内観測 所と東京大学・アタカマ望遠鏡(miniTAO)、名古屋大学・南アフリカ 望遠鏡(IRSF)などを結んだ全地球的突発激変天体観測網を整備する。 (3)電波観測による激変天体のフォローアップ観測体制の整備:野辺 山観測所45m電波望遠鏡、山口大学32m電波望遠鏡などを用いた連携観測 体制を整える。
計画研究A04で開発されるシステムおよび海外の重力波検出器から通 知される重力波アラートに対応した光赤外線での即時観測システムを、 各分担者がそれぞれの担当の望遠鏡・観測装置を順次開発・整備してい くことで構築していく。並行して、既存のシステムを用いて突発天体観 測を推進する。新規開発装置は順次、以下のネットワークに投入し、 2016年のKAGRAの本格観測開始までに重力波アラートに対応した光赤外 線・電波の観測網を完成させる。 そのために、木曾1mシュミット望遠鏡の高精度化・高速化と、超広視 野CMOSセンサ型カメラ(超広視野CMOSカメラ)の開発、岡山91cm広視野 赤外線望遠鏡(OAOWFC)の自動化、50cm広視野ロボット望遠鏡(中国50 cm望遠鏡)の海外設置と、それに搭載する広視野多色カメラの開発を行 う。データ解析システム、データ保存システムも整備する。並行して電 波観測と連携した突発天体観測ネットワークを整備する。 木曾シュミット望遠鏡の超広視野CMOSカメラの開発と、中国50cm望遠 鏡の設置を中心に、並行して突発天体の光赤外・電波観測ネットワーク の整備を行う。開発・整備したシステムは順次観測に投入し、重力波源 候補天体の観測的研究を推進する。