2019 年度「PERSEUS Seminar」参加学生レポート報告

2019年度10月3日に開催されました「PERSEUS Seminar」に参加した学生が、講演についてのレポートを書いてくれました。


 

○工学域 機械系学類機械工学課程2年 青地 駿太 さん

‣末田航氏「ドローンとエンタメとカラス」レポート青地駿太さん-300x225

美大出身、モバイルゲーム企業後大学院に再入学し、現在はシンガポール大学所属という異色の経歴を持っている末田さん。エンタメを通じて人々のQoLを向上させたいという思いのもと研究を行なっているそうだ。

講演では、カラスの群れを再現し、本物のカラスと会話するドローンの開発についての話題が印象的だった。模擬カラスのドローンとカラスと会話させたいというユニークな発想からそれに全力で取り組む姿勢まで、見習いたい点が多くあった。講演後のパネルディスカッションの場で「やりたいと思ったことを全力でやる.やりたいと思った時に」とおっしゃっていたのが非常に印象的で、やはり興味を強くひかれることを対象としているそうだ。私自身、彼ほどの勢いで「やりたいことを全力でやる」ことはできないかもしれないが、興味をひかれることには全力で取り組んでいこうと思うきっかけとなった。

‣松村礼央氏「コンテンツビジネスとロボティクスと宇宙」

ロボットの研究は当然進んでいて、その中でなぜ普及に至らないのか。ロボットを導入するイニシャルコストおよびランニングコストが、人件費と比べまだまだ高額で市場として幅広くは成立していないという話題の後、市場を成り立たせるために必要な付加価値についての話題となった。個人的に興味をもっている分野のお話で、非常に参考になった。

レポート青地駿太さん2-300x225単純作業や危険な仕事の担い手をロボットに置き換え、人間は高度な仕事に集中するという考え方の下、産業用ロボットなどで広くロボットが活用されるようになっているが、ロボットは高度に整えられた環境下でしか本領を発揮することはできない。「ロボットの活躍の場を広げることは、人間の仕事を置き換えていくことだ。」といった考えに囚われていたが、今回の講演ではロボット自体に「アニメのキャラクター」という高い付加価値を持たせるという事例が紹介された。人間だけで作り出すことが難しい付加価値を持たせることで、収益性の高いロボットの活躍の場を成立させるという発想だ。ものづくりの目標を幅広く捉え、様々な市場を考え。場合によっては市場を作ることが将来の自分に必要な力だろうと思うようになった。

 

今回のお二方の講演では、ものづくりのプロセスや目標とするところについて、非技術的な内容での新たな視点を得ることができたと思う。柔らかな発想力を持つこと、また聞き入れ取り入れることが、自らの視野を広げることに直結し、自らの成長につながると感じた。