2019 年度PERSEUS講演会 「小型衛星における国際ビジネス動向及び技術動向」参加学生レポート報告

2019年度1月15日に開催されました「PERSEUS 講演会」に参加した学生が、講演についてのレポートを書いてくれました。


○工学域 機械系学類1回 水戸拓朗 さん

水戸拓郎さんレポート-300x225今回のPERUSEUSの講演会では、CSPジャパン株式会社の金岡充晃氏にご登壇いただき、「小型衛星における国際ビジネス動向及び技術動向」という題でご講演いただいた。これまで人工衛星や宇宙開発については度々話に聞くことはあった。しかし、宇宙とビジネスを結び付けた話は今まで聞いたことがなかったため、自分にとって新鮮な話を聞くことができ、非常に有意義な講演会であった。

講演では、小型衛星ビジネスの現状をはじめ、それを巡る国際競争等、様々な話をしていただいた。現在、小型衛星の打ち上げ数は年々増加しており、その市場も今後5年でおよそ50%拡大するそうだ。小型衛星の活躍する分野も、地球観測や、高速通信をはじめ、天体観測、デブリ除去など多岐にわたる。更に、衛星の再利用を目指した再突入や、従来の衛星の小型化、宇宙空間での衛星同士のランデブー・ドッキングなど新しい研究も数多く始まっているという。ま日頃から宇宙関連の知識を収集するようにしていたが、初めて耳にすることも多く、非常に感銘を受けた。衛星開発が進み、これからどのように衛星が進化するのか、どのような衛星が生れてくるのか楽しみである。

講演を聴き、強く私の印象に残ったことは、日本が小型衛星の分野で世界に後れを取っていることだ。講演では、アメリカや中国を例に挙げ、国際競争について話して頂いたが、その中で日本が登場することは少なかった。日本には宇宙関連企業も少なく、資本規模も各国の企業に後れをとっているのが現状である。また、なぜ日本が後れているのか、これからどうすべきなのか、という質問には、日本と近い状況を経験し、それを打開したフランスを例に挙げて回答していただいた。それによると、日本に必要なことは思い切った意識改革だそうだ。今の私たちに日本全体の意識を変えることはできない。しかし、全体の意識は変えられなくても、自分の意識を変えることも意識改革の1つである。これは自分を見直す良い機会になるとも思うので、常に最新の情報に目を向けるようにする等、何か実践してみようと決めた。

宇宙とビジネス、以前はあまり関連がないように感じていたが、今回の公演を聴き、その二つが強く結びついていること知ることができた。更に、近年その結び付きは強くなる一方である。そんな競争が激化する宇宙産業の中で、最前線で活躍し、一大事業を率いておられる金岡氏の話は大変興味深く、その姿は自分にとって眩しく映った。また、私は小さい頃から宇宙に憧れており、宇宙に関連した研究をしたいと思っていたが、最近経済やビジネスにも興味がある。そのため、講演のテーマである小型衛星ビジネスは大変魅力的なものであった。今回の講演会を機に、目指す夢に手が届くよう、今後よりいっそう研鑽に努めようと決意した。