人生は短く、悩む時間はもったいない。研究と人生を楽しんでがんばってください。 情報学研究科学際情報学 | 教授村上晴美 研究テーマを教えてください。 (1)個人の人生の記録 (2)図書館における情報検索 研究の内容を教えてください。 (1)個人の人生を記録(人物に関連する情報を蓄積)することにより、情報学的に「人物(自己と他者)の理解」と「人生(よく生きること)」を支援する研究を行っています。具体的には、個人の記憶支援や、Web上の人物検索などです。(2)件名や分類を用いた情報検索など、図書館に関する情報検索の研究を行っています。(1)と(2)に共通する内容は「情報(テキスト)の抽出と整理」です。(1)と(2)を融合する研究として、件名や分類を用いた人物検索の研究を行っています。 今後達成したい研究目標や、現在の研究を社会にどう貢献させていきたいかなど、教えてください。 目標は研究を「人生情報学あるいは人物情報学」としてまとめることです。論文や開発したシステムを公開することにより社会に貢献しています。 その目標を達成するために、研究時間の確保などの日々行っている工夫や、取り組んでいる活動などを教えてください。 仕事や家事を効率化する方法をいつも考えています。外注できることは外注しています。仕事に関しては、日々の業務に要した時間を記録しています(これは研究でもあります)。自分だけでなく、所属する組織全体の業務を効率化するように提言しています。 時には研究が止まることや、思うような研究成果が出ないときもあるかと思いますが、そのようなときにどうやって乗り越えるかを教えてください。 旅に出ます(学会やプライベート含む)。普段と違う場所に行き、違う人に会います。アイディアがわいたり、視点が変わったり、頭が整理されたりします。気分転換にもなります。 サバティカルをとりました。旅の効果に加えて、研究のためにまとまった時間をとることができました。 研究テーマをしばらく寝かせます。寝かせている間に問題を解くための手段が利用可能となったり、問題設定が変わることがあります。80年代に取り組んだ卒論を、2000年代にやり直して論文にしたことがあります。 新しい知識や技術を習得します。新しい知識や技術を習得すると問題が解決することがあります。時間がかかりますが、これが一番良い方法だと思います。 研究者としてのキャリアを諦めようと考えたことはありますか。もしあれば、そのとき何を思い、考えて、やはり継続していこうという決断に至ったのかを教えてください。 30代で会社を退職して博士後期課程に進学してからはありません。ただし、60代になり、いつまで続けようかと考えることがあります。 研究者へとしての道を歩んでいる若手研究者へメッセージ 何事かをなすには人生は短いです。悩む時間はもったいないです。研究と人生を楽しんでがんばってください。