サイト内検索
2023年3月22日
大阪公立大学・大阪教育大学・和歌山大学・積水ハウス株式会社は、2017年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」に選定され、最終年度である6年目を迎えました。2020年度には「南近畿女性研究者支援ネットワーク」が本格始動し、2021年度には大阪商工会議所が参画し、ネットワークを広げてきました。本シンポジウムは最終年度の集大成として、事業の成果を報告するとともに、ウィスコンシン大学マディソン校准副学長をお招きし、国内・国外のゲストによる先進的事例の報告から示唆を得て、さらに取り組みを進展させることを目的として開催し、約180名が参加しました。(開催のお知らせはこちら)
初めに、大阪公立大学 辰巳砂昌弘学長より開会の挨拶がありました。引き続いて、文部科学省 科学技術・学術政策局人事政策課 人材政策推進室 岡貴子氏、本補助事業の外部評価委員である伊藤眞里氏(医薬基盤・健康・栄養研究所 上席研究員)、本奈美氏(大阪商工会議所 人材開発部 研修・採用支援担当課長)よりお言葉をいただきました。【第一部】基調講演「ウィスコンシン大学マディソン校における教員のダイバーシティとインクルージョン:WISELI の取組」 第1部は基調講演として、本補助事業の国際アドバイザーであるウィスコンシン大学マディソン校准副学長のAmy Wendt氏をお招きして、「ウィスコンシン大学マディソン校における教員のダイバーシティとインクルージョン:WISELI の取組」と題して、基調講演をいただきました。Amy氏による本補助事業の取組への評価や、WISELIで長年行っている「採用ワークショップ」の取組とその効果、国内外への波及について述べました。 また、同じくWISELI独自の取組である「バイアスの習慣を断ち切るワークショップ」についても説明がありました。WomenからInclusionへとさらにダイバーシティ環境を整えるべく、より包括的な取り組みを始めているWISELI の取組を通じて、海外の先進的事例を共有しました。
【第一部】成果報告「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)の成果報告」続いて、成果報告として、「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)の成果報告」と題し、金澤真理氏(大阪公立大学副学長(ダイバーシティ担当))より6年間における本補助事業の取組、またその成果について報告がありました。報告の中では、この6年間の期間に、南大阪から南近畿、そして近畿、さらに世界へと連携を拡大し、女性研究者の国際的リーダー育成と活躍を牽引したこと、連携機関と共同し介護相談窓口を新設したこと、産学官連携の強みを生かし、連携型共同研究助成事業を実施し、女性研究者の業績向上に繋がったことなど報告をしました。
【第二部】研究報告「産学官連携研究の現状と展望」「大学におけるジェンダー公正の取組~海外の先進事例から~」 第2部では、研究報告「グローカルな連携推進」として、「産学官連携研究の現状と展望」と題し、河﨑由美子氏(積水ハウス株式会社R&D本部執行役員)より、共同研究報告として、大阪公立大学、積水ハウスの産学官連携ウィメンズユニット(WUSO)での研究成果を紹介しました。産学官連携研究の展望として4つのポイントを挙げ、新しい知見創出、人材育成、新しい提案、情報発信が重要だと述べました。 次に、「大学におけるジェンダー公正の取組~海外の先進事例から~」と題し、西岡英子氏(大阪公立大学女性研究者支援センタープログラムディレクター・特任准教授)より、多様な人材確保のための人事選考ワークショップの事例や、公正な人事選考を行うためのガイドブックの紹介など、人事プロセスにおけるバイアスを最小限にし、組織文化と考え方の変化を促すことの重要性について報告がありました。
【第三部】パネルディスカッション「大学・企業の特色を生かしたDEI戦略とは?」 第3部のパネルディスカッションでは、「大学・企業の特色を生かしたDEI戦略とは?」というテーマで、第1部で講演されたAmy Wendt氏、永井由美子氏(大阪教育大学 学長補佐(ダイバーシティ推進担当)、金川めぐみ氏(和歌山大学 学長補佐、男女共同参画推進室長)、河﨑由美子氏(積水ハウス株式会社 R&D本部 執行役員)、真嶋由紀惠氏(大阪公立大学 特命副学長、女性研究者支援室長)をパネリストに迎え、金澤真理氏(大阪公立大学 副学長(ダイバーシティ担当)司会のもと、意見交換を行いました。まず初めに各機関の補助事業期間中の成果と今後の取組について各連携機関がそれぞれ発表しました。永井氏より、補助事業期間中に女性学長が就任したこと、文部科学省より教員養成フラッグシップ大学に指定され、ダイバーシティ教育をベースに、授業のシラバスにダイバーシティの観点に配慮した授業づくりを目指す旨を明記することなどを紹介しました。金川氏より、来年度より4学部のうち2学部において学部長に女性が就任する予定であり、また男女共同参画推進室がダイバーシティエクイティインクルージョン推進本部として新たに立ち上げ予定であると述べました。 後半部分では、視聴者の方からの「女性の活躍推進を図るためになにが一番効果的であったか」という質問に、Amy氏より、「ひとつの目標を達成しようとすると、それを達成するために、様々な側面において解消しなければいけない問題があることがみえてくる。そのひとつひとつを解決しなければならない道のりは長いが、連携機関同士、お互いに問題点について観察し、解決策について好事例を紹介しあい、未来に向かってここまで培ってきた連携を引き続き生かしていくことが重要であり、補助事業を終えたあとも変わらない活動を続けることが望ましい」と述べられました。
6年間の取り組みについて振り返り、総括する大変良い機会となりました。
ウィスコンシン大学マディソン校准副学長Amy Wendt氏 基調講演
大阪公立大学 女性研究者支援センター(杉本)プログラムディレクター 特任准教授 西岡英子氏
パネルディスカッション
当サイトではサイトの利用状況を把握するためにGoogle Analyticsを利用しています。Google Analyticsは、クッキーを利用して利用者の情報を収集します。クッキーポリシーを確認