動物社会学研究会のご案内
2024年12月24日
- 研究会(2024年度)
第5回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ
第5回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。
外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。
開催概要
日時: 2025年1月11日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)
場所: 大阪公立大学 理学部E棟第10講義室
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)
発表内容
虫こぶ形成昆虫と植物の相互作用:シキミタマバエの虫こぶ密度はなぜシキミ株間で異なるのか 井上 航史郎
⾍こぶ形成昆⾍と植物の相互作⽤については、その特異性から多くの研究が⾏われてきた。⾍こぶ形成昆⾍の個体群動態についても数多くの研究が存在するが、その多くは年次変動や地域間での違いに焦点を当てたものであり、個体群動態の全体像を⼗分に説明しきれていない。
特に植物個体間における個体群密度の変異についてはあまり研究が行われていないのが現状である。例えば植物の個体群中には、⾍こぶが数多く形成されている個体がある⼀⽅、⾍こぶが全く付いていない個体が存在する。このような植物個体ごとの⾍こぶ密度の差異は、個体の形質(⼤きさや活⼒)や個体が置かれている環境条件の違いに起因している可能性が指摘されているが、そのメカニズムは未だ⼗分に解明されていない。
本研究では、⾍こぶ形成昆⾍であるシキミタマバエとそのホスト植物であるシキミとの関係に着⽬し、シキミタマバエの⾍こぶ密度がシキミ個体間で大きく異なる原因を調査した。今年度は特に、シキミ各個体の形質と周囲の環境要因に注⽬し、それらが⾍こぶ密度にどのような影響を与えているかを明らかにすることを⽬指した。
日本の島嶼と本土の間における鳥類の外部形態の変異 山本 莉子
島嶼部の動物では、アイランドシンドロームと呼ばれる、形態学的、行動学的、人口統計学的、生活史上の収斂進化が確認されている。鳥類に見られるアイランドシンドロームとして、飛行能力の低下や消失、嘴サイズの中間サイズへの収束などが指摘されており、これを生み出す要因としては島嶼部の様々な環境が検討されているが、どのような種でアイランドシンドロームが見られるのか、またそれを生み出す要因が何であるかについては未だ理解が不足している。日本列島は由来の異なる複数の島嶼群から成るため、環境の異なる島嶼間での進化パターンの比較には適した環境である。そこで本研究では、日本本土と島嶼の双方に生息する鳥類について仮剥製の外部形態を計測し、地域間で比較した。島嶼としては伊豆諸島を中心とし、その他に南西諸島や小笠原諸島を調査対象とした。対象種としては、本土と伊豆諸島の両方に生息し、仮剥製が十分量確保できる10種を選定した。計測箇所は跗蹠、嘴峰、嘴高、嘴幅の4か所である。跗蹠長は体サイズの指標として用いた。これらの計測結果から体サイズ、および体サイズに対する嘴サイズ、嘴の形状の比較を行った。その結果、種ごと、地域ごとに異なる外部形態の変化の様相が見られた。本発表会では今回の研究で得られた鳥類の外部形態のデータから、日本の本土・島嶼部における鳥類の外部形態の変異とそれに影響を及ぼす要因について議論したい。
過去の研究会の発表者と発表要旨
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連絡先
森(研究会渉外担当) a20se029★st.osaka-cu.ac.jp
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