動物社会学研究会のご案内
2025年1月28日
- 研究会(2024年度)
第10回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ
第10回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。
外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。
開催概要
日時: 2025年1月31日(金) 10:00-11:30
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)
場所: 大阪公立大学 理学部E棟第10講義室
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)
発表内容
これまでの自己意識研究とこれからの自己意識研究 十川俊平(研究員)
現在の生物学において、ヒト以外の動物(以下、動物)に自己意識を伴う理性的な行動は基本的に認められていない。どのような根拠を持ってそのように考えられてきたのか?それはおそらくギリシャ哲学から始まるヒト中心主義と、そのあとに続いた神経生理学の発展からくる決定論・一元論的な考えのせいだと思われる。そのような中、1970年にチンパンジーで鏡像自己認知(MSR)が発見されて以降、動物がヒトのように自己意識を持つ可能性が示唆されてきた。しかし、これらの発見には自己意識以外で実験の結果を説明できる可能性が付きまとい、動物が自己意識を持つという決定的な証拠は提供されてこなかった。しかし、2019年に我々がホンソメワケベラでMSRを示して以降、一連の研究によってそれらの指摘は解決されはじめ、ついには動物が理性によって因果関係を理解できることまで示された。本研究会ではこれまでの自意識研究における哲学的な考えの変遷と、具体的な研究からくる従来の自己意識にまつわる考えが我々の発見によってどのように変わるのかを紹介する。そして、動物に自己意識を認めるということは、動物の行動を決定論・一元論から解き放つことを意味するが、そのことによってこれまで構築されてきた動物行動に関連する学問のフレームワークがどのように変化するかを、人類(社会)学の視点から提案したい。
過去の研究会の発表者と発表要旨
過去の研究会の発表者と発表要旨はこちらからご覧下さい。
連絡先
森(研究会渉外担当) a20se029★st.osaka-cu.ac.jp
★を@マークに変えて送信してください。