動物社会学研究会のご案内

2025年2月19日

  • 研究会(2024年度)

第14回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ

第14回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。

外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

日時: 2025年2月22日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)

場所: 大阪公立大学 理学部E棟第10講義室
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)

発表内容

協同繁殖魚Neolamprologus savoryiにおける罰はどのような状況で起こるのか?野外操作実験による検証 日髙 諒(D2)

ヒトでは協力社会を維持するために、体罰や刑罰など幅広い「罰」が見られる。また、公共財ゲームを用いた研究によって、罰が発生する条件も多く調べられてきた。一方で、協力的な社会を持つヒト以外の動物でも、罰によって協力関係を維持している可能性があるものの、集団内で罰として機能している行動を明らかにした研究は少ないだけでなく、罰がどのような状況で発生するのかはほとんどわかっていない。したがって、動物の罰による協力関係の維持機構を理解するには、罰がどのような状況で起こるのかを、操作実験や野外調査を通じて検証することが必要である。私はこれまで水槽実験により、タンガニイカ湖産協同繁殖魚Neolamprologus savoryi(サボリ)の親が手伝いを制限された血縁ヘルパーに罰を与え、その後ヘルパーは手伝いを増やすことを明らかにした。しかし、野外では、ヘルパーの数や体サイズ、血縁関係が繁殖グループによって異なる。そのため、野外で水槽内と同様の操作実験を行うことで、罰がどのような条件で起こるのかを明らかにできると考えられる。計6ヶ月の野外実験の結果、サボリの親は手伝いを制限されたヘルパーへの攻撃を増加させ、攻撃を受けたヘルパーは、その後のなわばり防衛(手伝い行動)を増加させた。また、ヘルパー数が少ないグループ、そして近い場所にいるヘルパーには、親はヘルパーにより長く攻撃した。以上より、野外でもサボリの親の攻撃は罰として機能していること、さらに、手伝いするヘルパーの数や親の監視範囲が罰の発生に強く影響することが示唆された。

動物の社会的相互作用の追跡と計算モデル構築:トリ・ネズミ・ヒトを対象として 外谷弦太(東京大学先端科学技術研究センター)

個体はいかにして集団のなかに自己を定位し、居場所を構築していくのか。またそのようなミクロな振る舞いの集合がいかにして社会を形作り、作られた社会がどのような制約を個体の行動にかけるのか。発表者はこの問いを考えるために、社会関係構築を行う動物を対象に、その相互作用を多面的に観察し定量化する手法を構築・導入し、社会行動と社会構造の形成過程を観察している。そしてこれと並行して、個体間の心理的距離・親密さを位相的に表現し、個体の時間的・認知的負荷や行動動機を個体ごと決められた特性パラメータとして、相互作用をシミュレートする計算モデルを構築した。この位相空間において、個体が居心地良いと感じる地点は、自身の行動のインセンティブとなるような反応を起こす、あるいはストレスとなるような反応を起こさない他個体の近く、と解釈することができる。もし、このモデルのパラメータ操作によって観察結果を説明できれば、より大規模な集団の振る舞いを予測・説明する枠組みを作ることもできるだろう。研究はまだ途上であるが、発表では動物の複数個体追跡におけるノウハウや、これまでにわかったこと、社会関係構築の計算モデルについて紹介する。

過去の研究会の発表者と発表要旨

過去の研究会の発表者と発表要旨はこちらからご覧下さい。

連絡先

森(研究会渉外担当) a20se029★st.osaka-cu.ac.jp
★を@マークに変えて送信してください。