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財団法人橋本循記念会が中国文学に関する学術研究に対して授与している蘆北賞の学術誌部門で、今年度の受賞対象に我が『中國學志』が選ばれ、十一月二十一日にその授与式が行われました。蘆北賞は立命館大学名誉教授であった橋本循博士の雅号「蘆北」に因む賞で、中国文学研究に於いて優れた成果を挙げた論文、学術誌、著書を表彰するものです。
今年度は岩城秀夫山口大学名誉教授、興膳宏京都国立博物館館長、清水凱夫立命館大学教授、芳村弘道立命館大学教授の四名の選考委員の先生方が審査に当たられたとのことですが、その審査結果は以下のような内容でした。
「本誌は大阪市立大学中国学コースに所属する学生・院生・卒業生・教官等をもって組織された大阪市立大学中国学会が発行する学会誌である。号数は『易経』の六十四卦名の次第に従い、乾号に始まる。本誌「投稿規定」に「中国文学・思想・語学に関する論文・書評・資料紹介等」を掲載すると示しているように、紙面の内容は誠に多彩である。掲載された論考などの時代領域も古代から近代まで幅広い。毎号、水準の高い論文が掲載されているが、このほか例えば訟号(6号)には「ドイツにおける中国学」、師号(7号)には「韓国における中国文学研究」といった海外の研究動向の紹介、近代語に関する研究文献目録、高適や王安石の論文著書目録などを収載し、中国学研究の上に有益な参考資料を提供している。また大学院の研究班による「礼記注疏檀弓篇訳注」が屯号(3号)以来、連載され、精確な研究成果も発表されている。」
『中國學志』にこのような高い評価を戴いたことは大きな喜びであります。そして、受賞に恥じないように、今後も一層紙面を充実させて、学会に少しでも寄与できるよう努力しなければならないと思います。賞金として五十万円を戴きました。これも今後の運営のための資金としたいと思っています。(会長 齋藤茂)
※職名等は当時のもの