教育

教育について

医化学講座は、下記の医学部医学科の基礎教科を担当します。1年次の講義では、高校時に生物を履修していない学生も多いため、基礎生物的内容を中心に医学への関連性を意識して講義します。2年次講義では、臨床遺伝学における基礎・臨床の垂直統合を目指します。また、実習は近年目覚ましい進展を遂げている分子生物学の重要性について理解を深めるように実践します。

特徴的な取り組み

1年前期 「遺伝と遺伝子」

Essential細胞生物学(南江堂)を教科書として、DNA→RNA→タンパク質に至るセントラルドグマを中心に、ゲノム進化や遺伝子解析技術について医化学教員と分子細胞生物学(塩田准教授)が講義します。

1年後期 「細胞生物学」

前期「遺伝と遺伝子」に引き続いてEssential細胞生物学(南江堂)を教科書として、細胞の基本構造、シグナル伝達、細胞周期、接着、物質輸送、細胞死などについて医化学教員、神経生理学(水関教授)、分子細胞生物学(塩田准教授)、病態生理学(高杉助教)が講義します。

2年前期 「遺伝医学」

「遺伝医学」は、従来の1年後期講義から令和5年度より2年前期講義へ移行します。ゲノム医学(メディカル・サイエンス・インターナショナル)を教科書として、医化学と免疫制御学教員から臨床遺伝学の原理について学習するとともに、最新の遺伝子解析技法(ゲノム免疫学 植松教授)、出生前診断(女性生涯学 田原講師)、癌の個別化医療(癌分子病態制御学 八代准教授)、遺伝カウンセリング(臨床遺伝学 瀬戸准教授)など臨床応用を意識した講義を行います。

2年前期 「医学研究推進コース2(分子系実習・遺伝子コース)」

分子生物学的研究手法を習得する目的で、細胞からのゲノムDNA抽出、PCR、大腸菌を用いた遺伝子組換え、プラスミド調整、制限酵素消化を行います。本実習を通して、実験の原理に基づいて正しい結果の解釈ができるようになること、ピペットマン等を用いた基礎実験手技を体得することを目指します。

3年後期 「医学研究推進コース3(修業実習)」

小グループに約3ヶ月間所属し、医化学教員とマンツーマンで基礎実験(基本的に細胞を培養し、その動態を生化学、分子細胞生物学的に解析する研究テーマ)を遂行します。最終的にレポートを作成し、発表会にて発表・質疑応答のトレーニングをします。

大学院について

大阪公立大学大学院医学研究科医化学講座では、医科学専攻修士課程と基礎医科学専攻博士課程の大学院生を募集しています。
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修士課程は、4年制学部を卒業した学生が高度な最先端医学知識や技術を習得する2年のコースで、研究職として企業等への就職や、博士課程進学を目指します。一方、博士課程は4年のコースで、最先端研究を先導的に推進し、独創性に富み、世界的に活躍する医学研究者の育成を目指します。
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当講座では、生化学、分子細胞生物学、病態医化学的研究の推進によって、国内外学会発表や学位論文作成、日本学術振興会特別研究員や奨学金等の応募申請をサポートします。基礎実験では、対照(コントロール)や再現性の確認が必須であり、細胞を用いた解析では適切な培養状況を維持することが大切になるため、日々コンスタントに実験を行うことが求められます。一朝一夕に華々しい研究結果が出ることはありませんが、実験結果の集積によって世界レベルの研究成果に至ることが、基礎研究の醍醐味です。このような基礎研究に熱意を持って没頭できる大学院生を求めています。