診療案内
腎癌の治療
手術療法
腎がんに対しては転移巣の有無にかかわらず、基本的に腎がんの摘出を行うことが一般的です。手術療法には大きく分けて2つの方法があります。
- 腎部分切除術
腎臓にできたがんの部分だけを摘出する手術です。正常腎をできるだけ温存することは、その後の治療や、心血管系の障害を減らすために非常に重要な要素です。
標準的には4cm以下のがんに対して行いますが7cm以下の症例に対しても行っています。症例によっては7cm以上の症例にも腹腔鏡下に部分切除を行います。
以前は部分切除は腹腔鏡で行っていましたが,現在はほぼ全例ロボットを用いた手術を行っています。
当院では2018年までに約300例に行っています。この手術に関しては全国的にトップクラスの経験数を誇ります。他院で腎摘出術が必要と言われた症例でも、当院では部分切除が行える症例が少なからずありますので、ご相談ください。 - 腎摘出術
7cmを超えるがん、がんが腎臓周囲に及ぶ症例に対しては、基本的には腎臓の摘出を行います。その多くは腹腔鏡下に行いますが、一部の進行例では開腹による手術も行います。 静脈内に進展している腎がんでも腹腔鏡下に摘出可能な症例もあります。 当院では2018年までに600例以上に腹腔鏡下腎摘出を行っています。
薬物療法
腎がんには一般的な抗癌剤治療は効果がないため、古くからインターフェロンを用いた免疫療法が行われていました。
2008年に分子標的薬が日本に導入されてから、初回治療には分子標的治療を行うようになり、現在は6種類の薬剤が使用可能です。
これらを用いた治療は当院では230例以上の実績があり、この分野に関しては全国でも有数の経験を有しています。
これらの薬は適切な投与が行われないと、十分な効果が得られなかったり、副作用で中止を余儀なくされる場合がありますので、多くの治療経験がある施設で行うことが重要です。
最近では免疫チェックポイント阻害剤であるオプジーボも日本でも使用可能となり、当院でも導入しています。
この薬も適切な管理が行われないと効果が発揮できないどころか副作用で中止となってしまいます。当院では類似の薬を治験段階から多数経験していますので安心して治療が受けられます。
局所療法
手術が不可能な小径腎がんに対しては放射線科の協力のもと、ラジオ波焼灼術を行っています。