RESEARCH1
非平面芳香族炭化水素化合物の
設計・機能開拓
近年、フラーレンやカーボンナノチューブに見られるような、
非平面芳香族炭化水素が次世代デバイスを支える鍵マテリアルとして
科学分野や産業界から多くの注目を集めています。
私たちの研究室では、ヘリセンやホスファインドリジンをはじめとする
湾曲構造を有する非平面芳香族化合物の創製、
ならびにその機能開拓に取り組んでいます。
RESEARCH2
非中心不斉化合物を活用した
触媒的不斉合成の開発
面不斉遷移金属錯体を母骨格に有する不斉配位子/不斉触媒を設計し、
右手型の分子と左手型の分子を見分けて光学活性化合物を効率良く
生み出す触媒的不斉合成に適用すること目指しています。
また、非中心不斉を有する化合物群
(例えば、面不斉や軸不斉化合物、ヘリセンなど)を
触媒的不斉合成により光学活性体として合成することを検討しています。
RESEARCH3
ジホスフェン配位子の開発と
遷移金属触媒反応への展開
「ジホスフェン」とは、リン-リン二重結合を有する化合物です。ジホスフェンには非共有電子対と二重結合が存在するため、金属元素および配位子の種類などに応じてη1、η2配位の錯体を生じます。また、ジホスフェンには特に低いLUMOを有する特徴があります。
さまざまな有機化合物の合成を可能にする遷移金属触媒反応において、遷移金属元素上に導入する「配位子」は触媒反応の活性や選択性を制御する上で極めて重要です。これまでにホスフィン類などを中心に立体的・電子的に多様な配位子が開発されてきましたが、ジホスフェンを用いた系については未開拓の状況にあります。我々は、新規なジホスフェン-遷移金属錯体の開発と触媒反応への展開を目指して研究を行っています。
MORERESEARCH4
新規な含リンπ共役化合物の
合成と性質の解明
我々はホスフィンドリジンの合成に成功し、その物性を明らかにしました。ホスフィンドリジンは、五員環と六員環が縮環し、環縮合位にリン原子を有する化合物です。インドリジンの高周期類縁体、かつベンゾ[b]ホスホールの構造異性体という非常にシンプルな分子ですが、そのπ共役拡張誘導体も含めてその合成は達成されていませんでした。また、新規な含リンπ共役化合物の構築につながる遷移金属触媒反応の開発にも取り組んでいます。
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