研究プロジェクト
プロジェクト1:
虚弱高齢者のケアニーズに関する地域課題分析と地域包括ケアモデルの構築(2016年~現在)
1)内容
虚弱な高齢者の方にとって、住み慣れた地域で病気や障害を適切に管理しながら、望ましい人生の終末期を迎え天寿を全うできるケアが大切です。高齢化と人口減少が進むなか、限られた医療・介護資源を有効に社会の中で使えるように、様々な市町村・コミュニティにて虚弱高齢者のケアニーズに関する地域課題の分析を行い、地域包括ケアモデルを構築します。
2)成果論文、講演等
Noriko Yoshiyuki, Ayumi Kono, Takuma Ishihara, Naomi Fukushima, Takeshi Miura, Katsunori Kaneko. Does the Veterans Affairs Frailty Index predict mortality and hospitalization in older adults with low care needs using Japanese medical claims?. IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023.2023年6月:神奈川.
Takeshi Miura, Ayumi Kono, Naomi Fukushima, Katsunori Kaneko, Takuma Ishihara. Claims data based classification of patterns of long-term care service use in the first year following care support certification, and their impact on Disability Adjusted Life Years (DALYs) 5 years later. IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023.2023年6月:神奈川.
Ayumi Kono, Noriko Yoshiyuki, Takuma Ishihara, Naomi Fukushima, Takeshi Miura, Katsunori Kaneko. Delaying the onset of frailty in older adults with low care needs through adult day services. IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023.2023年6月:神奈川.
Noriko Yoshiyuki,Takuma Ishihara,Ayumi Kono,Naomi Fukushima, Takeshi Miura,Katsunori Kaneko. Do Home- and Community-Based Services Delay Frailty Onset in Older Adults With Low Care Needs?.Journal of the American Medical Directors Association.2023; doi: 10.1016/j.jamda.2023.05.036.
河野あゆみ.高齢者自身が活躍し支え合う地域づくりとフレイル予防の今 第10回日本公衆衛生看護学会学術集会(基調講演)2022年1月:Web開催.
西結香,池田直隆,河野あゆみ,岡本双美子.住民ボランティアの見守り対象高齢者数と見守り活動・見守り関連活動や活動満足感・負担感との関連.日本地域看護学会誌2021;24(1): 23-31.
泉眞知子,池田直隆,岡本双美子,河野あゆみ.後期高齢者率の高い地区と低い地区における住民ボランティアの独居高齢者見守り活動状況の比較.厚生の指標2021;68(11):26-31.
橋口綾香,池田直隆,岡本双美子,河野あゆみ.年齢層別住民ボランティアの地域活動への認識の特徴 厚生の指標 2021;68(2):21-26.
河野あゆみ.地域力の可視化と高齢者ケア(学術集会長講演) 第23回日本地域看護学会学術集会 2020年8月:Web開催.
島田果歩,田中陽子,河野あゆみ.都市近郊と中山間地域における認知症高齢者の徘徊に関する地域課題 日本看護科学会誌2020;40:106-112.
吉行紀子,河野あゆみ.要支援高齢者のフレイルと近隣住民ボランティアのソーシャル・キャピタルの関連 日本公衆衛生雑誌2020;67(2):111-120.
プロジェクト2:
介護予防をめざす医療・介護給付データ分析:SOHAスタディ(2017年~現在)
1)内容
高齢者が介護保険認定にて「要支援」と認定される平均年齢は約79歳です。その後、どのような疾患で受診し、介護や医療をどのように利用して在宅生活を続けられているのかを明らかにすることで、望ましい介護予防のあり方を考えられます。大阪府泉州地域の要支援高齢者約1,600名について、医療給付・介護給付データを約10年間集積し、様々な角度から分析することを目的に南大阪医療介護(SOHA:The Southern Osaka Health and Aging)スタディを実施しています。
2)成果論文、講演等
Ayumi Kono, Takuma Ishihara, Naomi Fukushima, Takeshi Miura, Noriko Yoshiyuki, Katsunori Kaneko.Chronic Diseases Effect Long-term Care Needs in Ambulatory Frail Older Adults. 7th World Academy of Nursing Science 2022年10月:Taiwan, Taipei.
河野あゆみ.要支援高齢者の認定時における介護予防サービスの利用とフレイル予防の効果 第26回日本看護管理学会学術集会 2022年8月:福岡.
Ayumi Kono, Naomi Fukushima, Takuma Ishihara, Noriko Yoshiyuki, Kouji Yamamoto.Five-year disease-related risk of mortality in ambulatory frail older Japanese. Nihon Koshu Eisei Zasshi 2021;68(4):267-275.
Noriko Yoshiyuki, Ayumi Kono, Takeshi Miura, Naomi Fukushima.Health Care Cost Trajectories in the Last Year of Life of Frail Older Adults 第80回日本公衆衛生学会総会2021年12月:東京.
Ayumi Kono, Noriko Yoshiyuki, Naomi Fukushima, Takeshi Miura.End-of-Life Health Care Cost Trajectories and Long-Term Care Use in Older Adults 第80回日本公衆衛生学会総会 2021年12月:東京.
三浦剛,河野あゆみ,吉行紀子,福島奈緒美.介護サービスの利用パターン分類とその特徴 第80回日本公衆衛生学会総会 2021年12月:東京.
河野あゆみ,丸山加寿子.医療・介護レセプト解析における統計家との研究協働のプロセスと進め方 第41回日本看護科学学会学術集会交流集会 2021年12月:Web開催.
河野あゆみ,福島奈緒美,三浦剛,金子勝規,石原拓磨,吉行紀子.介護予防をめざす医療介護給付データ分析と自治体・大学との研究協働 南大阪医療介護(SOHA: the Southern Osaka Health and Aging)スタディ看護研究 2020;53(3):198-204.
河野あゆみ. 要支援高齢者の医療介護給付データからみたケアの方向性 第2回日本在宅医療連合学会大会シンポジウム 2020年6月:Web開催.
3)研究情報の公開
4)研究結果の一般向け公開
プロジェクト3:
介護予防に着目した後期高齢者歯科健診の効率的な受診勧奨モデルの開発(OHSAKA study)(2020年~現在)
1)内容
高齢者のオーラルフレイルは,さまざまな健康・介護関連アウトカムと関連していると言われています。大阪府後期高齢者延べ240万人の医療・介護レセプトデータ(悉皆)と大阪府後期高齢者歯科健診データを用いてオーラル因子と介護予防についての研究を行っています。本研究は,大規模データを疫学的に分析し,創出した知見を社会に還元することを目指し,大阪公立大学看護学部地域包括ケア科学分野(看護師),大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター(腎臓内科医,産業医,整形外科医),大阪大学大学院歯学研究科(歯科医師),大阪府後期高齢者広域連合(広域行政,保健師),大阪府歯科医師会(歯科医師)と協働しながら研究を行っています。
RやPython等のプログラム言語を駆使して,ビッグデータ解析を行っています!
2)成果発表
論文
Tomoaki Mameno, Naoko Otsuki, Masahiro Wada, Ryohei Yamamoto, Kazunori Ikebe.Association between posterior occlusal support and tooth loss in a population-based cohort: The OHSAKA study. Journal of Dentistry. 148. 2024.
Tomoaki Mameno, Naoko Otsuki, Satoko Takeuchi, Ryohei Yamamoto, and Kazunori Ikebe.Removable denture use, fit, and all-cause mortality in older adults with reduced occlusal support: The OHSAKA study. Journal of Prosthetic Dentistry. In Press.
大槻奈緒子,山本陵平,豆野智昭,池邉一典. 大阪府後期高齢者歯科健診データ+KDB一体型大規模データを活用した疫学研究:The OHSAKA Study. 日本老年歯科医学会誌 39(1) 2024.
豆野 智昭, 大槻 奈緒子, 山本 陵平, 池邉 一典. 大規模コホート研究から欠損歯列を考察する. 日本補綴歯科学会誌 16(1) 22-27 2024.
学会発表,講演,シンポジウム
Naoko Otsuki, Tomoaki Mameno, Satoko Takeuchi, Kazunori Ikebe, Ayumi Kono, and Ryohei Yamamoto. Oral Hygiene and the Incidence of Functional Decline in Older Adults Aged ≥75 Years: The OHSAKA Study. The Gerontological Society of America. 2024 (Seattle).
Kazunori Ikebe, Satoko Takeuchi, Tomoaki Mameno, Naoko Otsuki, Kotaro Higashi, Masahiro Wada, Kazunori Nozaki, Hirotsuka Fukata, Ryohei Yamamoto. Association Between Oral Frailty and Mortality in Older Adults Aged ≥75 Years: The OHSAKA study. 10th Asian Conference for Frailty and Sarcopenia 2024 (Bangkok).
大槻奈緒子, 山本陵平. 大阪府後期高齢者の大規模レセプトデータを活用した歯科健診受診と死亡の関連:後向きコホート研究. 第43回日本看護科学学会学術集会 2023 (下関).
大槻奈緒子, 豆野智昭, 蟹江祐哉, 和田誠大, 新澤真紀, 東孝太郎, 武内聡子, 野﨑一徳, 池邉一典, 山本陵平. 大阪府後期高齢者歯科健診受診者の歯数と 手術を要した大腿骨頸部内側骨折発症の関連 :大規模後向きコホート研究. 第28回日本在宅ケア学会学術集会 2023 (大阪).
大槻奈緒子, 山本陵平, 松村雄一朗, 新澤真紀, 守山敏樹. 大阪府後期高齢者の歯数と要介護の関連:後向きコホート研究. 第33回日本疫学会学術集会 2023 (浜松).
プロジェクト4:
医療レセプトデータに基づく保健師協働による効果的な特定保健指導の実践モデル開発(NHHK study)(2023年~現在)
1)内容
寝屋川市健康づくり推進課と協働しながら,寝屋川市の国保・後期高齢者医療のKDBレセプトデータを用いたコホート研究や,寝屋川市が実施している重症化予防事業についてのランダム化比較試験を行い,特定保健指導や重症化予防事業の評価を行っています。大阪公立大学看護学部地域包括ケア科学分野(看護師),大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター(腎臓内科/産業医),寝屋川市(保健師)でチームを作り,寝屋川市をフィールドに様々な取り組みを行っています。
2)成果論文,学会発表
Ryuichi Yoshimura, Ryohei Yamamoto, Naoko Otsuki, Maki Shinzawa, Rie Kataoka, Nami Ikeguchi, Suzuna Kanda, Yuki Nii, Hiroshi Toki, Toshiki Moriyama.Long-Term Care Needs and Incidence of End-Stage Kidney Disease: A Retrospective Cohort Study. Journal of the American Medical Directors Association. 24 (3), 2023.